2008年9月25日(木)~27日(土)にかけて,京都市左京区の京大会館にて,第18回設計工学・システム部門講演会が開催されました.今年度の部門講演会では,3件の特別講演と128件の講演発表,12件のD&Sコンテストへの参加の他,2件のワークショップ,1件のパネルディスカッションと盛りだくさんなプログラムとなっており,248名の参加者を集めました.
講演会および懇親会の様子を、写真を中心に説明したページはこちら。
特別講演は,いずれも主に最適化関連の研究で著名な3名の研究者に御講演いただきました.講師と講演題目は次の通りです.
- 『モノづくりにおけるシステム設計最適化』
講師 吉村 允孝 氏 (京都大学大学院工学研究科 教授) - 『 Parametric Optimization and Reliability Technologies - Concepts and Reality 』
講師 Nick Tzannetakis 氏 (Chief Technical Officer, NOESIS Solutions) - 『 Topology Optimization: a 20 Year Perspective 』
講師 Alejandro Diaz 氏 (Professor, Mechanical Engineering Department, Michigan State University)
講演発表は14のオーガナイズドセッションと一般セッションのカテゴリーで行われました.各オーガナイズドセッションでの発表件数は次の通りです.
OS番号 | OS名 | 発表件数 |
---|---|---|
OS1 | 製品開発と設計方法論 | 8 |
OS2 | 設計における知識マネジメント・情報共有 | 11 |
OS3 | 設計プロセスのモデリングとマネジメント | 7 |
OS4 | デジタルエンジニアリング | 10 |
OS5 | 設計と最適化 | 11 |
OS6 | 近似最適化 | 8 |
OS7 | システム最適化 | 6 |
OS8 | ビークルの最適設計 | 8 |
OS9 | ライフサイクル設計とサービス工学 | 16 |
OS10 | ヒューマンインタフェース・ユーザビリティ | 6 |
OS11 | 創発性と多様性の設計 | 5 |
OS12 | 感性と設計 | 9 |
OS14 | 設計教育 | 7 |
OS15 | 設計・デザイン論 | 9 |
GS1 | 一般セッション | 7 |
D&Sコンテストは,昨年度まで「設計コンテスト」や「解析コンテスト」として実施されてきたコンテストを発展させたものとして今年度より始まりました.このコンテストでは先進的な設計やシステム化のさまざまな事例,例えば,企業等における設計・解析の事例,フォーミュラーカーやロボットなどの学生競技会における設計事例,大学教育などにおけるプロジェクト型学習における成果などについてのポスター発表を広く募集し,コンテスト形式で優秀研究を決定します.今年度は12件の応募があり,2日間に渡るポスター展示・発表と口頭発表が行われました.
この他,パネルディスカッションと2件のワークショップが開催されました.それぞれの概要は以下の通りです.
- ワークショップ 「設計と知財」
日時:9月25日(木)13:00-15:50
趣旨:
我が国にとって,知財,特に特許は,今後ますます重要な位置を占めると推測され,技術者や研究者に対し,企業はもちろん,近時では大学でも知財の教育を取り入れているところもある.しかしながら,特許法が難解なこともあって,設計者からみれば特許は非常に身近な言葉でありながら実体的には未だ遠い存在である感は否めない.
そこで,設計と知財とのあるべき関係について,企業や大学のみならず,弁理士,弁護士といった代理人からみた現状や課題,あるいは取り組みを紹介しながら議論する.
講師・座談会パネラー:西村 竜平(京都北山特許事務所),開本 亮(島津製作所),谷川 英和(IRD国際特許事務所),中尾 優(有古特許事務所),西脇 眞二(京都大学),米澤 俵介(堀場製作所) - パネルディスカッション 「設計者教育の今後を考える」
日時:9月26日(金)13:00-16:00
趣旨:
設計者育成は,大学などの教育機関と企業の双方にとって大きな課題となる.
そこで,人材育成に対する企業の取り組み事例とともに,産学連携あるいは国際連携による設計者育成における取り組みと課題を紹介し,今後の設計者教育を議論する機会を提供することを目的とする.
パネラー:松原 厚(京都大学),小木曽 望(大阪府立大学),遠田 治正(三菱電機),勝 眞一郎(サイバー大学),金田 修一(小松製作所),河本 雅史(三菱農機),清水 優史(前橋工業大学) - ワークショップ 「デザイン科学へのアプローチ」
日時:9月27日(土)13:00-15:00
趣旨:
物質,精神の両面で人々の生活や社会を豊かにするモノやコトを実現するには,設計,デザインの高度化,体系化が必要である.これまで,設計,デザインはその対象や領域ごとに専門化と細分化を進め,それぞれが独自の手法や方法論を構築してきたが,共通となる理論的な基盤や枠組みを欠くことによる限界や問題が顕在化しているように思われる.
そこで本パネルディスカッションでは,設計,デザインの共通の基盤となる理論や科学的枠組みの必要性や可能性について議論を行なう.
講師:松岡 由幸(慶應義塾大学),村上 存(東京大学),綿貫 啓一(埼玉大学),門内 輝行(京都大学),田浦 俊春(神戸大学),武田 英明(国立情報学研究所所
また,部門講演会2日目の夜には,懇親会が行われ,参加者は懇親を深めました.この懇親会の席上で,第86期部門賞・部門表彰が行われました.表彰者については部門関係受賞者のページをご覧下さい.
来年度の部門講演会は2009年10月28日(水)~30日(金)にかけて,沖縄県読谷村にて開催されます.本年度にも増して,様々なプログラムを予定しておりますので,発表者として,または聴講者として奮ってご参加下さい.
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