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部門講演会優秀発表表彰: 竹澤 晃弘(京都大学) |
このたびは設計工学・システム部門におきまして名誉ある優秀発表表彰を頂き,関係者一同大変光栄に存じます.受賞を励みと致しまして,今後いっそう研究活動に尽力することを決意致しました次第であります. さて,今回発表させていただきました内容は,構想設計段階におきまして,設計者を力学的に支援するというFirst Order Analysisの概念に基づき構築しました構造最適化手法の一例です.具体的に述べますと,自動車のボデーフレームのような一般的な断面形状を持つフレームの場合は,慣性主軸の方向を荷重に対して適切な方向に向けられれば,高剛性を期待することができます.そのため,本研究では,その最適な慣性主軸の方向の回転角を,KKT条件を用いて導出する方法を構築致しました.本研究において私が重要視しましたのは,実際の設計現場への適用という観点です.本研究では自動車ボデーフレームやフレーム構造で構成される内装部品という,特定のプロダクトを対象として,可能な限り現実の設計過程を考慮して手法を構築いたしました.製品に高品質,多機能が求められ,設計活動が複雑化する中にあって,汎用性に拘泥せず,特定プロダクトの設計法の一例として手法を提案することが,実学である設計工学の一つのアプローチあると考えております.最後になりましたが,研究内容を発表する機会を頂いた日本機械学会設計工学・システム部門の方々および学会関係者各位に深く感謝申し上げます.
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