部門業績賞: 間瀬 俊彦(デジタルプロセス株式会社)

   このたびは思いもかけず設計工学・システム部門の業績賞を戴き大変光栄に思い,また感激しております.私自身は自動車産業において長く設計の自動化やシステム化の仕事に従事してまいりましたが,民間企業での活動であったことからこのような賞をいただけるとは思ってもいませんでした.ご関係の皆様やこれまでお世話になりました皆様には厚くお礼申し上げます.思い起こせば1960年代の後半,自動車開発の最上流にあたる造形線図作業の3次元自動化に取り組んだのがこの分野に入るきっかけでありました.当時まだCAD/CAMについて明確な概念や技術がないなか,開発期間短縮を目指し工機部門と連携して当時のクリティカルパスであった金型製作にいたるプロセスのデジタル化を目指しました.この間,図面の本質は何か,それに代わって3次元化することの意義は何か,など自らに問いかけつつ真の設計者のためのシステムやツールの構築を心がけてまいりました.しかし最近は残念ながらグローバル化が叫ばれるなか,3次元CADをはじめ様々な設計ツールも欧米製が主流になってきました.そんななかで日本の物つくりの強みを発揮しやすい道具が失われつつあるのを危惧しています.
これからはもう一度原点に戻り,エンジニアリング分野のシステム化で今後何を目指すべきか,新たな気持ちで追求してみたいと思っています.引き続きお教えをいただけますようどうかよろしくお願いいたします.

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