8.7 富士山の環境をよくするには

 富士山の世界自然遺産登録が拒絶された理由は環境汚染であるが、汚染原因は、主に人間のモラルの低さより発している。各種廃棄物の投棄や、登山者が捨てるゴミ等が主なものである。社会的なものは、登山者用トイレの未整備くらいである。とにかく登山者が多く、その人たちが登山愛好家ではなく観光客であるところに問題があるらしい。水質汚染やゴルフ場建設による自然破壊なども見られるが、ゴミの問題に比較して大きく取り上げられてはいない。
 富士山再生への取り組みとして、環境NPO「富士山クラブ」が設立され、富士山の環境保全のための市民団体のネットワーク化、財政支援を目的とする「富士山水と緑の育水基金」、環境保全・資源利用のあり方を提言するために創設する「富士山学会」、エコツアー、シンポジウム、インターネットによる富士山の実態の紹介などの活動を行っている。また、し尿を垂れ流さないバイオトイレを山梨、静岡両県の5合目に設置した。
 行政側は、静岡県・山梨県共同で「富士山憲章」を制定し、富士山の総合的な環境保全対策を展開している。
 屋久島が以上のような環境汚染とは無縁であるためか、屋久島について環境を語れば、地球的規模の環境になってしまうが、富士山ではどうもそうではないらしい。交通・物流で出来る環境対策はゴミの問題がかたづいてからのような気がする。

<参考文献>
富士山憲章
http://www.fujisan-net.gr.jp/kensyou.htm
日本一の山再生へ(世界自然遺産登録の拒絶理由など)
http://www.mainichi.co.jp/eye/fuji/tokusyukiji/01.html 
富士山のバイオトイレ活躍
http://www.mainichi.co.jp/eye/fuji/tokusyukiji/13-1.html
環境破壊が進む富士山
http://www.mainichi.co.jp/eye/fuji/tokusyukiji/11-1.html
富士山クラブについて
http://www.mainichi.co.jp/eye/fuji/fujiclub.html

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last update 2001.02.08 Copyright(C) JSME TLD