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機械学会学生会について

東北支部学生会担当幹事
       渡辺一実

   読者の皆さんは既にご存知でしょうが,機械学会には学生会という学生だけの組織があります.各支部毎に○○学生会というものが組織され,更に,各高専・大学には顧問の先生方を中心として機械学会員となった学生のグループがあります.この高専・大学毎の活動が学生会としての基本であります.各校では講演会や親睦を深める様々な行事(飲み会?)に加えてエコラリー,ソーラーカーレースに参加するためのオリジナルカーの創作等が行なわれています.これからも各校独自の様々な活動を支部学生会として応援したいと考えておりますから,積極的に「あれをしたい」,「これをしたい」と顧問の先生方に申し出てください.
   皆さんは,様々な学生会員としての活動にくらべて高専・大学の勉強内容が余りにもかけ離れていることを感じたことはないですか?これは,皆さんが目にする「機械」と「機械工学」との関係が基礎と応用の関係にあるからです.例えば,パイプの中を流れる液体の速度と圧力の関係はベルヌーイの定理を使って簡単に計算されますが,この定理が「如何なる物理法則に基いているか」ということを学ぶのが機械工学であります.ベルヌーイの定理を応用する演習も重要ですが,それ以上に「どうしてこの定理で計算できるの?」という疑問が機械工学の根本になります.この疑問に対する答えが日々の授業になっているわけです.
   ソーラーカーの制作や様々な物作りの体験を通して,「どうしてそうなるの?」とか,鈴木京香さんがモルツの宣伝で言うように「なんで泡までうまいの?」と言う素直な疑問を呼び起こすことが学生会活動の目的です.材料力学で習う“曲げ応力=モーメント÷断面係数“の関係は皆さんもご存知でしょうが,どうしてこうなるの?この式でどうして良いの?“この疑問をべースに「機械工学」を学び,将来の高等技術者として成長し,未来の技術立国日本を支えて戴ければ,我々,教官も本望です.そして機械学会とは皆さんが成長するための御手伝いをする組織なのであります.
   これから社会に巣立ち行く人も,更に進学し勉学を重ねる人も共に己の障壁を乗り越えながら大きく成長されることを期待しています.

(山形大学 教授)



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