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宇宙に挑戦する研究室

東北大学 大学院 工学研究科
      航空宇宙工学専攻
博士課程前期2年 藤島 幸一

 みなさんは「宇宙ロボット」という言葉にどんな印象を持たれるだろうか.おそらく,アトムやガンダムなど小説やアニメの中の主人公を思い浮かべる人が多いかもしれない.そういった「超」が付くような機能を持った宇宙ロボットが現実で活躍する時代は,はるか先だと思う.しかし,それらの先祖になるであろう世界初のものが昨年11月に宇宙開発事業団( NASDA )により宇宙へ打ち上げられた.図(a)に示す技術試験衛星VU型( ETS-7 )である.ここで将来の宇宙ロボットに必須となる技術を修得するためのさまざまな実験が今現在も行なわれている.その実験の様子はWeb上でも公開されている(http://www.nasda.go.jp )ので,興味ある人は見に行ってほしい.
 私たちの研究室では,以前から宇宙で活躍するロボットを制御するための研究を行なってきた.これらは一般にフリー・フライング・ロボットと呼ばれていて,空間を白由浮遊する多体系として考えられる.地上に固定されたロボットと異なって,ロボットアームを動かせばその反力で本体の方も動くという力学的な問題がある.
 地球以外の惑星を探査するためのロボットも研究している.ひとつは図(b)に示す MUSES-C である.これは来世紀の初頭に NEREUS という小惑星へ行き,その地表のサンプルを採取して地球に戻ってくるというプロジェクトで,宇宙科学研究所(ISAS)主導のもと計画が進んでいる.また,昨年 NASA が成功を収めた Mars PathFinder 計画によって惑星探査ローバーが脚光を浴びているが,研究室では独自に図(c)に示すローバーを製作し,研究を進めている.
 私たちの研究室では,以上のような宇宙ロボットについて研究を行なっている.宙ステーション計画に代表されるように,宇宙開発は新しい研究分野である.これからもいろいろな研究結果が反映されていくと思う.興味を持った人は,ぜひ宇宙開発の分野に足を踏み入れてはどうだろうか.(研究室ホームぺージ ― http://www.astro.mech.tohoku-ac.jp


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