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学会に入会する意義とは?

一関工業高等専門学校
機械工学科5年 畑山 雄一

 10月も終わりに近づいたある日、本校の学会顧問の先生が自分の研究室にふらりとやってきた。「どうだ畑山、”ComPass”、書いてくれないか?」直接のご指名とあれば、断るわけにもいかないので、引き受けることにした。「できれば今月中にな」……なにっ!?
 今月中といったら、あと1週間しかないじゃないか。ということで、こうやって慌てて書き始めたわけである。いま手元に昨年度の「ComPass」があるのだが、特にテーマは無いらしく、みんな好き勝手に書いている。何か他の人とは違うことを書いてみたいなぁ……ということで、少し硬めの話をすることにしよう。
 皆さんがこの学会に入った理由はどんなものだっただろうか。自分の場合について少し書かせてもらうと、学会顧問の先生が学会員募集のパンフレットを持ってきたことから始まる。そのパンフレットには学会で取り扱っている分野の一覧があり、その中に自分の興味のある分野があった、ただそれだけで入会を決めた。同じ時期に入会した学生が2人いたが、二人の入会理由は定かではない。
 それからしばらくたった頃、先生が「他の高専では今年も10人近い学生が入会しているのにどうして一関では3人しかいないのか」と嘆いておられた。ある学生に声をかけてみたところ「興味がない」という答えが返ってきた。ロボコンやってる奴がそんなこと言っていいのかと思ったが、それは口にはしなかった。
 学会に入る、入らないは学生個人の自由であり、それをどうこう言うべきではないのかもしれないが、「会費がもったいないから入らない」とか「めんどくさい」とか考えてる奴ははっきりいって馬鹿だと思う。学生員の年会費を月額に換算するとそんなに大きい額ではないし、それを払うだけで機械に関する最新情報を知ったりすることができる。しっかりとした目的意識を持って入学した学生ならば、学会に入会するのは当然のことであると言い切ってしまっても過言ではないだろう。
 では、先生が嘆かれていた新規入会者数の差について考えてみると、その高専には目的意識を持った学生が多く、一関では少ないということになるが、まさにその通りであろう(少しズレた方向の目的意識を持っている学生はどこにでもたくさんいるが)。学会顧問の先生の努力も多少は必要ではあろうが、いくら先生が入会者を増やそうとして努力しても、入会する側の学生にしっかりとした目的意識を持った学生や、「知識や経験を何でもどんどん吸収しよう」と考える貧欲な学生がいない限り、学会への新規入会者は増えるはずはないのである。
 というわけで、柄にもなく硬いことを書きたい放題書かせてもらったわけだが、今後は一関高専でも目的意識をしっかりと持った学生が増え、先生が講義中に嬉しそうに自慢するようになることを切に願いたい。


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