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高専5年間の将棋大会を振りかえって

秋田高専 5年 機械工学科 鈴木勝裕

 平成4年の4月に秋田高専に入学してから、約4年半が経過しました。この間にはいろいろな出来事がありました。入学式、合宿研修、小旅行、運動会、スポーツ大会、工場見学、学校祭などです。
 しかし、私にとって一番の思い出というのは将棋のことです。将棋は今、羽生善治名人の出現によりメジャーになりつつあります。その将棋を、私は5才のとき祖父に教わりました。中学校3年生のときには、アマチュアの3段になるまでの実力になりました。全国中学生将棋名人戦に出場し、ベスト16という成績を収める事ができました。
 そして、高専にはいるとすぐに囲碁・将棋部に入部しました。将棋の顧問には、アマ5段である米長泰先生(プロ棋士の米長邦雄9段のお兄さん)がおられ、非常に恵まれた環境でした。秋田高専の将棋部は、過去に全国高校選手権という大会の団体戦で全国優勝したことがあり、私もいつかは個人でも団体でもいいから全国大会で優勝してみたいと思っていました。団体戦は3人1組であったので、私のほかにもう2人それなりの実力をもった人が必要でした。しかし、当時将棋部員は結構いましたが、初段以上の実力をもった人は誰もいませんでした。団体戦に出場しても県予選も勝てないと思った私は、米長先生にお願いして個人戦に出場しました。高校生の大会は、この高校選手権と個人の部だけの高校竜王戦がありました。どちらも優勝するつもりで臨んだ2つの大会は、高校選手権準優勝、高校竜王戦は3位でした。当時、秋田県の高校では私の他に2人が同じ実力を持っていて、誰が全国大会にいっても十分通用しました。私は2つの大会で、その2人に敗れて全国大会出場はなりませんでした。そのときは言葉では言い表せない悔しさがあり、”来年こそは”という思いで実力を磨きました。努力の甲斐があってか、その年は高校生の大会だけでなく一般の秋田県の大会でも上位入賞できるようになりました。
 そして2年生になり、高校選手権はベスト8で負けましたが、高校竜王戦でついに優勝し全国大会(福岡)へ出場することができたのでした。全国大会では、1回戦突破が目標でした。しかし、結果は自分でもびっくりの準優勝。無欲が生み出した結果だと思いました。全国大会で準優勝ということで、秋田に帰ってからいろいろな人に祝福され、とてもいい思い出となりました。
 3年生になると、米長先生の指導のもとで実力をつけた他の2人とともに、高校選手権県予選の団体の部に出場しました。圧倒的な強さで優勝し全国大会(徳島)出場を決めました。全国大会では、1回戦を突破し2回戦で敗れました。しかし、団体戦で全国大会に行けたということで非常に満足しています向またこの年、第1回全国高専将棋大会が秋田で行われました。全国大会で準優勝なのだから高専だけの大会ならという気持ちがあり大会前日近ぴ過ぎて、それがたたり結局3位。団体戦でも秋田高専チームは準優勝に終わりました。翌年の同じ大会では個人戦、団体戦ともに準優勝とあと一歩のところで優勝を逃しました。
 5年生になると、進学希望の私は大学編入試験の準備のため、将棋に対する時間が減りました。しかし、その分練習の質を向上させよづと努力しました。その甲斐あってか今年8月、静岡県御殿場市で行われた第3回全国高専将棋大会で個人戦、団体戦でダブル優勝を果たしました。
 私がこのように全国高校竜王戦で準優勝したり、高専大会で優勝できたのは、1つ目にはしっかりとした目標があったこと、2つ目には努力を怠らなかったこと、3つ目にはいいライバル、競争相手がいたことだと思います。これは将棋に限らず学問にも言えることだと思います。
 これからも将棋を楽しみ、いい思い出を作れればいいなあと思います。


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