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楽しく、辛い、3か月間の想い

宮城工業高等専門学校
機械工学科5年   真弓 俊郎

 今までの約3か月間、楽しく、幸い日々が続いた。ロボットコンテストに参加するため、7月から準備を始め、夏休み中に具体的な構想をほぼ固め、設計製作をした。そのため、私の夏休みはほとんどこのために費やされた。授業での遠心ポンプの設計製図を夏休み始め頃には終えるはずだだったが、結局夏休みを終えて数週間後にようやく終えられた。他のメンバーもそのために、その時期は製作が停滞してしまった。私はその頃ギアーボックスの設計、製図、製作を一応済ませることができた。しかし、左右両方あわせて1.5kgという重量級の丈夫過ぎるものだった。ロボット制限重量は8kgなので、それだけでも2割ちょっとも占めてしまう。その時それほど深刻視していなかったのだが、あとに苦しめられるとは………………。
 私は次の仕事として、我がチームの目玉である延長式バンパー設計製作に取り組んだ。これはスタート時の寸法が1.5mであるものが、3倍の4.5mまで伸ばせ、というかなり無茶なものだった。始め、チーム内では両側に75cmも伸びればよい(つまり全幅3mになってしまう)ということだったが、私は、こだわってしまった。両側1.3mまで伸ばせる機構を考え、ついに車体検査の5日前位に仕上げることができた。また、タイヤをアルミの丸棒から削りだすという、凝ったことをしたため、時間がかかったが、美しく仕上げることができた。
 8割方出来上がったところで、今回の難所の「階段越え」を試したところ、登れない、降りられない、ということがわかってしまった。悔しいが、タイヤを1つ減らし、ホイールベースを1/3縮め、車高を上げることにした。それにより我々は、真夜中までの作業を強いられることになった。
 出来上がったのは、車体検査の前日の夜(いや、当日の朝か)で出発まで若干の睡眠をとり、午前9時頃にふらふらと出発した。
 東北地区予選は、10月10日体育の日に一関高専で行われた。我がチームのロボットは、「魔の階段」で降りる時にひっくり返ってしまい、起き上がれずにバンパーを伸ばすことなく敗退してしまった。他チームにも階段をうまく越えられないロボットがあった。そういうロボットに限って、階段を越えられたら素晴らしいことをやってくれそうなものばかりだった。つまり、凝りすぎたものは、勝てなかったようだ。今回のテーマでは、シンプルで、素速く、力強いロボットが有利な展開が出来た。今時点では、他地区の出場ロボットの様子を知ることは出来ないが、全国大会では東北地区にはなかったド肝を抜くアイディアのロボットが出場するのを期待している。


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