RC306
1. 分科会名称 | 『燃料多様化に対応するディーゼル噴霧燃焼の基礎的解析に関する研究分科会』 |
2. 主査名 | 川那辺 洋(京都大学) |
3. 設置期間 | 2025年4月~2027年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 2050年カーボンニュートラルの実現を目指して,各種熱機関は脱炭素の方向へ向かうと考えられる.そんななか,様々な燃料に対して高効率な運転が可能なディーゼルエンジンは,今後も自動車,船舶,発電システム等の動力源として広く利用されることが予想される.多様化する燃料を活用するためには,エンジンの熱効率をさらに向上させると同時に究極までエミッションを低減する必要がある.すなわち,再生可能エネルギーを用いて製造される水素,これと大気中の二酸化炭素から合成される炭化水素燃料,バイオ燃料など,気体燃料から液体燃料まで,物性と化学特性が大幅に異なる燃料のそれぞれに対し機関性能・排気を最適化することが求められるが,現時点では十分データが得られていない.提案するRCでは,現行のRC299において取り組んでいる燃料噴射から噴霧形成,着火・燃焼,火炎の壁面衝突に至るまでの一連の現象の基礎的解明を継続するとともに,燃料の物性や化学特性の影響も考慮した諸現象の一般則を見出し,高効率化かつ低エミッションの指針を策定するために必要な知見を得ることを目的とする. また,得られた基礎的な知見を社会実装可能な技術開発につなげるために,提案するRC研究分科会においては,ディーゼルエンジンの設計・開発にかかわる企業の技術者と基礎研究に従事する大学および研究機関の研究者間の情報共有と技術討論の場を設定し,ここで得られた情報を研究内容に反映させる.これにより,燃焼室内で生ずる現象および燃料影響の理解を一層深化させるとともに,現象機構解明に基づくディーゼルエンジンの高効率化技術開発に資する知見を得る. |
5. 期待される研究成果 | 工学的効果:燃料特性がディーゼル燃焼機構に与える影響を物理的化学的視点で包括的に解明する研究が促進される.
工業的効果:様々なカーボンニュートラル燃料をディーゼルエンジンに適用し,高効率・低エミッションで活用するための技術指針が提示される. 波及効果: 燃焼・性能改善のための技術指針および技術課題の整理と解決の方向性を提示することで,カーボンニュートラル社会を指向したディーゼルエンジンの開発加速に寄与する. |
6. 参加負担金 | 50万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 川那辺 洋 京都大学エネルギー科学研究科 (主査) 電話: (075)753-9119 e-mail: kawanabe[at]energy.kyoto-u.ac.jp (※[at]を@に変換してください) |