RC304
1. 分科会名称 | 『熱流体工学におけるデジタルツインのための先端的計測・シミュレーション・データ科学とその産業応用に関する研究分科会』 |
2. 主査名 | 長谷川 洋介(東京大学) |
3. 設置期間 | 2025年4月~2027年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 流れやそれに伴う熱・物質輸送は、工学に広く見られる現象であり、エネルギー機器、流体機械、高速輸送機器などの様々な機械システムの性能やエネルギー効率を支配しており、その理解、予測、そして自在な制御は、持続的社会の実現に向けて極めて重要な技術である。 熱流体工学において、計測技術、シミュレーション技術、およびそれらによって得られる膨大なデータの解析技術は、日々大きく進展しており、近年ではそれらを統合することで仮想空間上に実現象を再現しようとするデジタルツインやその工学応用に期待がかかっている。しかし、計測できる物理量、計測領域、計測精度は計測技術によって大きく異なり、それらの計測データを様々なシミュレーション技法やデータ科学とどのように組み合わせるべきか、それによってどのような精度で実現象がデジタル空間に再現されるのか、再現されたデジタルデータに人がどのようにアクセスし、その結果、どのように人の理解や工学製品の最適設計に繋がるのか、さらに最終的にこのようなデジタル技術はどのようにカーボンニュートラル社会の実現に貢献するのかは自明ではなく、基盤技術の進展や社会のニーズに応じて、逐次変化し続けるものと考えられる。 本研究分科会では,上記の問題に関して、実験、シミュレーション、データ科学の専門家に加えて、産業界の研究開発者が定期的に議論を行い、最新の基盤技術を俯瞰するとともに、それらの工学応用の可能性を検討する。活動としては、企業委員、研究者委員、招聘講師による講演、全委員による討論を継続的に行う。また、前身の分科会においても大変好評であった、企業ニーズと研究シーズのマッチングを目的とした企業委員と研究者委員の自由な情報交換の場も設けることにより、本研究分科会ならではの新しい連携を生み出す試みを継続する。 |
5. 期待される研究成果 | 熱流体工学の最先端の研究者とカーボンニュートラル実現を目指す企業エンジニアとネットワークを構築できる。 次世代熱流体工学の基盤を議論し、新たな熱流体計測手法や数値解析手法に加え、さらにデータ同化、データマイニング、データ駆動型のアプローチを共有できる。 企業の抱えるカーボンニュートラル実現に向けた必要なニーズを共有し、産学が協力すべき課題を提起する。 学会では学生の発表が中心となる現状、研究者のみの意見交換の場を設けることで世界と戦う必要がある日本人研究者を刺激し、熱流体工学のさらなる発展に寄与する。 |
6. 参加負担金 | 20万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 長谷川洋介 東京大学生産技術研究所 (主査) 電話: (03)5452-6171 e-mail: ysk[at]iis.u-tokyo.ac.jp(※[at]を@に変換してください) |