RC299
1. 分科会名称 | 『カーボンニュートラルに向けた高効率ディーゼルエンジンに関する研究分科会』 |
2. 主査名 | 小酒 英範 (東京工業大学) |
3. 設置期間 | 2023年4月~2025年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 2050年カーボンニュートラルの実現を目指す社会においても,熱効率が高く将来の燃料多様化に対するロバスト性が高いディーゼルエンジンは,自動車,船舶,発電システム等の動力源として広く利用されることが予想される.持続可能社会における燃料多様化については,再生可能エネルギを用いて製造される水素,これと大気中の二酸化炭素から合成される炭化水素燃料,バイオ燃料など,気体燃料から液体燃料まで,物性と化学特性が広範に分布する燃料のそれぞれに対し機関性能を最適化することが求められる.提案するRCでは,現行のRC292において取り組んでいる燃料噴射から噴霧形成,着火・燃焼,火炎の壁面衝突に至るまでの一連の現象の解明を継続するとともに,燃料の物性や化学特性の影響も考慮した諸現象の一般則を見出し,高効率化の指針を策定するために必要な知見を得ることを目的とする.
また,得られた基礎知見を社会実装可能な技術開発につなげるために,提案するRC研究分科会においては,ディーゼルエンジンの設計・開発にかかわる企業の技術者と基礎研究に従事する大学および研究機関の研究者間の情報共有と技術討論の場を設定し,ここで得られた情報を研究内容に反映させる.これにより,燃焼室内で生ずる現象および燃料影響の理解を一層深化させるとともに,現象機構解明に基づくディーゼルエンジンの高効率化技術開発に資する知見を得る. |
5. 期待される研究成果 | 2050年カーボンニュートラル達成に向けて,物流を担うディーゼル機関の高効率化と一部電化は必須であり,持続可能社会においても,カーボンニュートラル燃料を用いたディーゼル機関の利活用は重要な技術課題である.本研究分科会では,将来の燃料多様化を想定し,燃料性状が筒内現象と機関性能に与える影響に関する基礎研究を実施する.研究成果が与える効果として以下が期待される.
工学的成果:燃料特性がディーゼル燃焼機構に与える影響を物理的化学的視点で包括的に解明する研究が促進される. 工業的効果:カーボンニュートラルの実現を指向したディーゼルエンジンの高効率・低エミッション燃焼法のための技術指針が提示される. 波及効果: 燃焼・性能改善のための技術指針および技術課題の整理と解決の方向性を提示することで,カーボンニュートラル社会を指向したディーゼルエンジンの開発加速に寄与する. |
6. 参加負担金 | 50万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 小酒 英範 東京工業大学 工学院 (主査) 電話: (03)5734-2170 e-mail: kosaka.h.aa[at]m.titech.ac.jp (※[at]を@に変換してください) |