RC297
1. 分科会名称 | 『カーボンニュートラルに貢献する熱流体技術の開発に向けた産学ネットワーキングのための研究分科会』 |
2. 主査名 | 村井 祐一(北海道大学) |
3. 設置期間 | 2023年4月~2025年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 2050年までのカーボンニュートラル社会の実現には,エネルギーの確保,省力化,高効率化,再利用など様々な場面で熱や流体に関する制御が求められる.その制御には,複雑な熱流体のさらなる現象解明が必要不可欠であり,乱流のように流れは単純だが現象が複雑なもの,混相流や非ニュートン流のように流体そのものが複雑なものに対し,総合的に現象解明を行い理解する必要がある.一方でこのような複雑な流れに対しては,これまでの延長線上の手法による研究・技術開発では解明は困難で,カーボンニュートラル実現には様々な挑戦的な手段の導入と効果を確かめる試験を精力的に反復する必要がある. そこで,アカデミアと企業研究者とがネットワークを構築し,細分化した研究開発を再統合する必要がある.そのためカーボンニュートラル実現に向けた熱流体現象の解明のための研究分科会を設置し,これを専門家どうして推進することを計画する.先端研究・開発の現場では,産学ともに専門の細分化,深化が進み,専門領域の中で,目の前の課題を素早く解決することが求められている.一方,カーボンニュートラル社会実現のような複雑かつ中長期的な課題解決には,幅広い現象に対してその根底にある物理現象の融合的理解や,これまでと異なった研究開発手法が必要である.さらにそれらを活かすためにはアカデミアと産業界の強いネットワークが重要となり,様々な立場の専門家の連携を促す仕組みが必要となっている. 本研究分科会では,カーボンニュートラルなどのキーワードやそれに付随したトピックについて企業研究者に話題提供をしていただき,研究者委員が最新の研究事例と国際動向の報告 を行う.これらを繰り返すことによって,企業がカーボンニュートラルに向けて開発を行う際の根本的な問題提起と,アカデミアがそれを乗り越えるための研究開発手法の提案を行い,産学が協調して取り組むべき課題を提起する.このように本研究分科会は,流体工学に関する基礎物理の探求にとどまらず,アイデアの流動性を高めるプラットフォームの役割を担い,産学の融合を深めていくための取り組みを進めていく. |
5. 期待される研究成果 | (1) 熱流体工学の最先端の研究者とカーボンニュートラル実現を目指す企業エンジニアとの間で各種課題の解決を推進するためのネットワークを構築することができる. (2) 次世代熱流体工学の基盤を議論し、新たな熱流体計測手法や数値解析手法に加え、さらにデータ同化,データマイニング,データ駆動型のアプローチを共有することができる. (3) 企業が抱えるカーボンニュートラル実現に向けた必要なニーズを共有し, 産学が協力すべき課題を提起する. (4) 当分科会は研究者・技術者によるプロフェッショナルな情報交換ならび討論の場であり,世界と戦う必要がある日本人研究者・技術者を刺激し,熱流体工学の発展に寄与する. |
6. 参加負担金 | 20万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 村井 祐一 北海道大学 (主査) 電話: (011)706-6372,FAX (011)706-6373 e-mail: murai[at]eng.hokudai.ac.jp(※[at]を@に変換してください) |