一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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RC275

1. 分科会名称 歯車装置の設計・製造・評価に関する技術革新のための調査研究分科会』
2. 主査名 藤井正浩 (岡山大学)
3. 設置期間 2017年4月~2019年3月(2年間)
4. 活動目的・内容 歯車技術は,主要先進国では基幹機械技術として,地道ながらも確固たる地位を築いている.一方,わが国では,いわゆる先端と呼ばれる分野に目が行きがちで,工業の基幹機械技術は必ずしも重要視されず,大学等からの人材供給が途絶えがちである.その結果として現実の課題解決に支障が出る事態も生じつつある.そこで,限られた数の技術者で,本分野(技術)の維持発展を進めるためには,これまで以上に,関連する技術者への的確な情報提供や共通課題の解決のための活動とともに,技術者同士が連携できるオール日本の技術者コミュニティを提供することが重要である.

前身のRC268「歯車装置に対する設計・製造及び評価に関する革新的技術探究の調査研究分科会」では,世界トップレベルの歯車装置技術であることを目的に,現状の技術レベルをグローバルにベンチマークし,その結果を基に16年前のRC156「コンペティティブ歯車装置のための最新設計製造技術調査研究分科会」で設定した各分野の世界一ターゲットモデルの実現状況とその達成のための技術的対応や開発された新技術を示すとともに,今後も世界一であり続けるために必要な技術課題を明らかにした.

本調査研究分科会では,RC268で示したブレークスルー技術を基に試験研究を行い,世界を凌駕する歯車装置を実現・発展させるために必要となる革新的技術を明らかにする.2年間の活動を通じて,設計・製造・評価に関する最新の革新技術を調査研究し,そこで得られた技術情報をタイムリーに参加会社に提供して,共有し,日本の歯車の基盤技術のレベルアップに資することを目的とする.このため,①歯車装置の超高強度のための調査研究,②歯車装置の超低損失,超低振動のための調査研究,③最新技術情報の収集と分析を実施する.また,年に4回の全体分科会(内1回は見学会を予定)を開催し,上記の情報展開をすると同時に,最新の技術に関する話題提供と議論を行い,また特に若手技術者間の技術交流の場を提供して,オール日本の技術力と活力の向上に資する.

5. 期待される研究成果 RC251およびRC261分科会で開発して,RC268分科会で継続して高強度歯車材料の強度評価を実施している接触・曲げ疲労試験(Contact Bending Fatigue Test)により,歯車に作用する特殊な応力状態を考慮した材料評価試験を実施することによって,歯車材料評価の新展開ならびに高精度の超高強度歯車の設計指針の構築が期待できる.本調査研究分科会では,歯車材料の強度および性状評価についての調査を進め,CBF試験と従来の試験法による結果との相関を評価することで,超高強度歯車材料の評価試験としてのCBF試験の有用性を更に明らかにする.また,歯車装置の超低損失,超低振動のため,表面改質をはじめとする歯面摩擦低減技術の評価や損失低減のための歯車箱内の潤滑油挙動解析を実施し,更には特殊歯形や加工法による損失低減技術について,潤滑性能や歯面強度を含めた総合的な評価を実施する.2年間の活動を通じて,設計・製造及び評価・解析に関する最新の革新技術を提案することを目指す.

上記の調査研究に加えて,歯車関係の国際会議の抄録集作成や2006年に出版された歯車損傷図鑑の改訂に関して検討を進め,最新の歯車技術情報を提供する.

6. 参加負担金 25万円(年間)×2年
7. 問合せ先 藤井正浩 岡山大学 教授   (主査)

TEL: (086)251-8035, FAX: (086)251-8266,  e-mail: fujiim@okayama-u.ac.jp
住所: 〒700-8530 岡山市北区津島中3-1-1