RC188
1.分科会名称
(社)日本機械学会 研究開発推進センター(設立準備室)
『次世代設計・製造法を可能とするCAD/CAM/CAE/モデル化技術に関する調査研究分科会』
2.主査名
萩原一郎(東京工業大学理工学研究科機械物理工学専攻)
3.設置期間
2001年4月~2003年3月までの2年間
4.活動目的・内容
昨今、デジタル設計や時空間協調型設計の名のもとに、設計・製品開発期間の大幅な削減がなされている。しかし、依然として、従来にないスタイル
や機能を求める場合、デジタル設計の推進は必ずしも容易ではない。この推進の鍵を握る技術そのもの、またそのために必要な社会のインフラを調査
することを目的に、1997年4月より2年間、RC149 「次世代製造法を可能とする解析および通信などのインフラ技術に関する調査研究分科会」を、続い
て1999年4月より2001年3月まで、RC169 「 時空間協調設計開発を可能にする次世代CAD・モデル化技術に関する調査研究分科会」を設置した。
この間に、機能のモデル化手法の開発を行った。これは複雑な燃焼現象などをも基本的にはマスーバネーダンピングで表現する新しいモデル化手法
である。また、最近の国際会議などで非常に評判となったサブディビジョン法の調査研究を行ない、サブディビジョン法が、データ圧縮CADに、CADと解
析とのリンク方式に、CAMなどに極めて有効であるとの感触を得た。また、ホモトピー関数についても調査研究を行ない、いくつかのスライスした断面を
ホモトピー関数でつないで構造を表現する決定的な手法を完成させた。この技術は立体視に、ラピッドプロトタイピング技術に、データ圧縮CADに、極め
て有効であるとの感触を得た。ただし、これらの有用な技術は必ずしも汎用化され企業側委員で使用できるまでには至らなかった。そこで新委員会に
おいて、これらの汎用化を図るとともに、更に、デジタル設計の中枢を担うCAE技術としての設計最適化技術や振動騒音解析技術、非線形解析技術の
充実を図ることを新委員会の目的とする。
具体的には、次の(1)~(3)の形態で本調査研究を進め、(4)の研究成果を目指す。
(1)分科会を設ける
機能モデルグループ、ホモトピー・サブディビジョングループ・CAEグループ の三つの小委員会を設けて活動を行う。
(2)具体的な例をもとに検討を進める
・ 研究者側から機能モデル、ホモトピーモデル、サブディビジョンについて平易な解説を行い企業側の理解を図る。
・ 企業側から例えばエンジンの現行設計法を紹介し、機能モデルによればどのような設計形態や構造体になるか、またホモトピー・サブディビジョン
でエンジンを表現するための技術課題を明確にし、合わせてサブディビジョン法によりメッシュ生成がどれほど効率が良くなるかの把握を行う。
(3)フィージビリティスタディを行なう
デジタル設計の中枢を担うCAE技術としての設計最適化技術や振動騒音解析技術、非線形解析技術については大学側から最新の情報を提供
するとともに企業のかかえる代表的な問題に対してフィージビリティ スタディを行なう。
(4) 期待される研究成果
企業においては、できるだけ迅速に正確にモデルを作成し、特性などを設計製造前に把握できることが重要である。これに関し、本調査研究で
次の成果が期待される。
1)いかなる複雑な現象に対しても機能モデルを作成し、明確に因果関係を分析 するノウハウの把握
2)NURBS やB-Splineなど、パラメトリックな曲線・曲面理論に基づいた場合では困難な良好なメッシュ生成をサブディビジョン法を使って達成す
るためのノウハウの把握
3)サブディビジョン法やホモトピー関数を使った、データ量の非常に少ない立体再構成法の把握
4)遺伝的アルゴリズムやニューラルネットワークを用いた設計最適化技術の把握
5)部分構造合成法や音響弾性学法に基づいた高効率振動騒音解析技術の把握
5.参加負担金額 (年間)
30万円
6.問合せ先
萩原一郎
〒152-8552 東京都目黒区大岡山2-12-1
E-mail: hagiwara@mech.titech.ac.jp, TEL/FAX:03-5734-3555