RC175
1.分科会名称
(社)日本機械学会 研究開発推進センター(設立準備室)
『分散型人工物システムの人間・社会環境共生型知的システム化技術研究分科会』
2.主査名
片井 修 (京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻・教授)
3.設置期間
1999年6月~2001年5月
4.活動目的・内容
近年の社会における情報ネットワーク化の急速な進展や、機械や生産プラントに代表される人工物システムの自動化・部分自律化・モジュール化の進展
に伴って、我々人間とこのようなシステム (群) の関係はますます複雑・大規模で全体が捉え難いものとなっている。この複雑さの進展の中で特徴的なこと
は、システム内外で進行する分散化、ネットワーク化、分権化であり、このような特性を有するものを、ここでは「分散型人工物システム」と総称する。
本分科会では、このようなシステム (群) と、人間や社会環境が安定して調和のとれた良好な関係を築くために解決すべき課題やその解決法について、
現場のニーズを把握している企業側委員と要素技術やその統合化についてのシーズを有する研究者側委員の共同活動によって、問題の本質を解明すると
ともに、実践的な問題解決法や技術の開発について検討を加えることを目的としている。
とくに注目する点は、不確定な社会環境の下で、人間同士や人間と支援システムとが協調することによって適切な運用を継続することが求められている分
散型の生産システムの合理的な設計と運用の実現に必要な知的システム化技術である。
具体的には、サプライ・チェーン管理のように、分権的なシステム運用が不可欠である問題を取り上げ、物流と情報流の一元管理、計画系と実行系の情報
統合、合理的運用方法の策定などを実証的に検討する。
生産現場で培われているさまざまな知識ノウハウの共有や伝承、再利用方法を検討する。様々な自動化ツールの導入とマルチ・チャンネルによる情報共有
の環境が織りなす複雑な多重制御ループの下でのコミュニケーション設計と集団での協調的意思決定の問題、分散環境や情報ネットワーク化に対応したイ
ンタフェース環境の実現、さらには、トータルシステムとしての安全性や社会環境との融和の方法など様々な問題についても総合的かつ実証的に検討する。
問題対象とする分散型人工物システムとして想定可能な対象の洗い出しと、そこで課題となる分散化、情報ネットワーク化、モジュール化・エージェント化・
自動化がどのように進展し、そのようなシステムの人間や社会環境との共生がどのように展開するかについて検討するために、以下の3点に注目する。
(1) 分散型生産システムにおける物流・情報流の一元管理と不確定性への適応のための知的システム設計・運用技術
(2) 分散環境下でのヒューマン・システム・インタラクションのための知的支援技術
(3) 分散型人工物システムのライフサイクル・セーフティ・マネージメントのための知的システム化技術
5.参加負担金額(年間)
40万円
6.問�合せ先
分科会幹事 松岡 猛 (船舶技術研究所・研究室長)
Tel: (0422)41-3131, Fax: (0422)41-3126
E-mail: mats@srimot.go.jp