RC-D4
1. 分科会名称 | 『次世代流体解析ソフトウェアの検証評価に関する研究分科会』 |
2. 主査名 | 大島伸行 (北海道大学 大学院工学研究科 機械宇宙工学専攻 教授) |
3. 設置期間 | 2008年4月~2010年3月(2年間) |
4. 活動目的・内容 | 近年、数値流体力学(CFD)の工学への応用は目覚しく、乱流、燃焼反応流、混相流などのモデル化とともに、3次元の複雑形状への適用も実用化しつつあります。これら次世代CFDの工学設計応用には、汎用的に実用化されたソフトウェアが必須ですが、一方でその詳細がユーザに対してブラックボックス化する懸念が示されています。実設計における複雑問題を扱うために解析モデルや数値解析法の新たな提案、改良が絶えず行われているなかでが、それら最新シーズに関する実用的な技術資料は必ずしも普及しておらず、予測精度や信頼性などの検証評価も容易ではありません。本学会などでも、主に基本的な解析モデルを特定した市販ソフトウェア評価は試みられておりますが、工学設計に実際に応用が期待されている高度な解析モデルや複雑な流れ問題では、計算実施自体にも相当の知識経験が必要なため、公開の資料データは少ないのが現状といえます。 そこで、本分科会では参加企業のニーズを基に、乱流LESなどの機械設計に有用な次世代CFD技術と期待される解析モデル・数値解析法と、その代表的な工学応用課題を選定して、複数の研究者らが協力して実用CFDソフトウェアを用いた検証評価を行い、次世代CFD実用化促進に資することを目的とします。 検証実施に供するソフトウェアには、文部科学省IT基盤構築のための研究開発「革新的シミュレーションソフトウェアの開発」の成果として公開されている次世代流体解析ソフトウェアFrontFlow*を供し、その開発研究に携わった研究者らが本研究分科会の活動推進を行う計画です。FrontFlow はプログラムと基本的技術情報が公開されており、また、地球シミュレータ共同研究課題や東京大学情報基盤センター等のイノベーション創出事業における対象ソフトウェアとして採用されるなど、先端的コンピュータにおける多数の試行実績あります。しかしながら、解析モデルや数値解析法の高度化に伴い複雑化したCFDソフトウェアの評価検証には、開発側のシーズ研究者とともに、汎用実用化を担うソフトウェアベンダー企業、および、ユーザ側企業の産学協力が必須といえます。ユーザ立場の企業委員におかれましては、設計ニーズと検証課題の提供を、ベンダー立場の企業委員には主にソフトウェアの汎用実用化における技術課題の提供を期待いたします。また、他のソフトウェアについても、開発者の協力およびユーザ企業のニーズ提案があれば、随時、追加採用を検討する予定です。 * http://www.ciss.iis.u-tokyo.ac.jp/rss21/ 【上期 第1年度 (2008年4月~2009年3月)】 ①検証評価研究の実施 ②調査研究の実施 【下期 第2年度 (2009年4月~2010年3月)】 ①検証評価研究の実施 ②調査研究の実施 |
5. 期待される研究成果 |
本研究分科会では、参加企業ニーズに沿った実用CFDソフトウェアの検証評価を基盤におくことで、検証データベースの提供によるシミュレーション技術開発の促進と、実設計への応用促進を目指します。また、複雑化する次世代CFDソフトウェアに関する、シーズ研究者/ソフトウェアベンダー企業/ユーザ側企業の技術交流コミュニティーの活性化を期待します。想定される検証課題の例として以下のようなものが挙げられます。これらにとどまらず、他の分野、課題についても積極的なご提案を歓迎いたします。
工学的課題の例: 工業的課題の例: |
6. 参加負担金 | 10万円(年間)×2年 |
7. 問合せ先 | 分科会主査: 大島伸行 北海道大学 大学院工学研究科 機械宇宙工学専攻 教授 〒060-8628札幌市北区北13条西8丁目 Tel & Fax: 011-706-6722 E-mail : oshima@eng.hokudai.ac.jp |