電子媒体出版物(ビデオ・CD-ROM・DVD等)の制作と販売に関する内規
はしがき
本内規は、電子媒体出版物の効率的な制作・刊行を促進するためのガイドラインとして設けるものである。電子媒体出版についてはまだ実例が少ないため、今後想定外のことが多々生じる可能性が考えられる。したがって、本内規が微細な事項まで規定するあまり硬直化を招くことのないよう、あくまでもガイドラインとして位置づける。また、日進月歩の技術革新によっても状況変化が生じるので、本内規は必要に応じて常時改めてゆくことを基本とする。
1.電子媒体出版物の分類
電子媒体出版物(ビデオ・CD-ROM・DVD等)は、従来の出版物には見られない特殊性があるので、まず以下のようにムービー/スチール性の違いや人物の登場の程度に基づいて分類する。
1.M種(ムービー性の強いもの)
M1: 講演の録画 (著者=出演者)
M2: 複数の出演者による解説(著者・編者と出演者は一致するとは限らず)
M3: 特に出演者がなく、創作画像と実験(現象)映像や施設・機器の映像を中心とするもの
M4: 創作画像(アニメーション等)によるもの
2.S種(スチール性・ソフト性の強いもの)
S1: データブック・ハンドブック
S2: 解析ソフトウェア
3.O種(その他)
2.制作に関する事項
1.制作費用と発行時の著者・編者・出演者の原稿料
1.1 M種:制作にかかわるすべての経費、すなわち、会合費、取材旅費、編集費、撮影費、プロナレーター依頼費、表紙デザイン費、講師・著者・編者への発行時原稿料(後述)等の合計は、原則として200万円以内とする。費用をどのように配分するかは、著者・編者に一任する。
1.2 S種:制作にかかわるすべての経費、すなわち、会合費、編集費、表紙デザイン費、ソフト開発費等の合計は、原則として150万円以内とする。費用をどのように配分するかは、著者・編者に一任する。
なお、S種の制作費には、M種と異なり、発行時原稿料は含まない。発行時原稿料に関しては、後述の印税方式に従う。
1.3 単体でなくシリーズで構成される場合の制作費用:M種・S種の何れにおいても、シリーズとしてまとまった制作・発行を企画する場合、上記1.1項と1.2項で定めた制作費に、シリーズの分量に応じた適度な額を追加することができる。
2.著作権
著作権は原則として本会に帰属する。
3.販売・印税に関する事項
1.基本的な考え方
1.1 電子媒体出版物(M種)は、他の出版物とは異なり、著者・編者に一任して発行時原稿料を算定する(『M種発行時原稿料算定の一例』参照)。発行時原稿料の支払い対象は、著者・編者だけでなく、出演者等も含む。一方、発行後の印税は、著者・編者のみを対象とし、他の出版物と同様、印税方式により原稿料を計算する。印税率は次項III.2に示す。
1.2 電子媒体出版物(S種)は、他の出版物と同様、印税方式により原稿料を計算する。印税率は次項III.2に示す。
1.3 電子媒体出版物の販売価格は本会の定価算定方式に基づくものとする。
1.4 初版発行部数は、出版物に電子媒体を添付する場合は1,000部以上2,000部以内、電子媒体単独で販売する場合は、300部以上500部以内とする。
2.著者・編集への印税方式の原稿料
表1に示す印税率により計算する。
表1 印税方式の原稿料評価一覧(部数は累積)
出版物に電子媒体を添付 | 電子媒体単独 | |||
発行部数 | 2,000部以内 | 2,001部以上 | 500部以内 | 501部以上 |
印税率 | 8% | 20% | 8% | 20% |
3.支部・部門への配分額
年度中の売上実績から表2の印税率に基づく金額を次年度の支部・部門交付金予算額に加算するものとする。
表2 印税方式の支部・部門配分額評価一覧(部数は累積)
出版物に電子媒体を添付 | 電子媒体単独 | |||
発行部数 | 2,000部以内 | 2,001部以上 | 500部以内 | 501部以上 |
印税率 | 4% | 10% | 4% | 10% |
4.その他の事項
1.本内規の修正・追加
『はしがき』に述べたように、必要に応じて本内規の修正・追加について出版事業部会で協議し、編修理事会の承認を得るものとする。
(2001年10月9日編修理事会承認)
参 考
『M種発行時原稿料算定の一例』
M種発行時原稿料の算定は、著者・編者に一任されているが、参考のため付表1のような算定基準の一例を示す。本例では、付表1に示す原稿料算定基準単価と映像時間との積で発行時原稿料を見積もる。例えば、a項目で45分の映像を制作した場合、
12 [万円/時間] ×(45/60)[時間] =9 [万円]
と算定する。
付表1 M種の発行時原稿料算定基準の一例
項目 | 出演・作業内容 | 単価 [万円/時間] |
a | 講師出演(オリジナル映像の場合) | 12 |
b | 講師出演(講習会等の映像利用の場合) | 3 |
c | 役回り指定での出演(アシスタント等) | 3 |
d | ナレーション原稿準備(c項を適用の場合) | 6 |
e | 実験・設備・機器の撮影を中心として繋いだ画像編集 | 9 |
f | 創作画像(アニメーション画像等)編集 | 30 |
(付表1の補足説明)
a・b:著者が自ら出演する場合は、原稿料と出演料とを合わせたものを、通常の原稿料とみなす。ただし、bの場合は、原稿料に関しては既に講演会主催者により支払われたものとみなし、出演料のみを評価する。
c:単に役回りを与えられての出演は、出演料を通常の原稿料とみなす。
d:ナレーション原稿を準備するだけで、映像は役回りを与えられた者の出演による場合、ナレーション原稿の著者の原稿料を通常の原稿料とみなす。
e: c項の人物出演が諸設備に置き換わったという考え方で、単価はc+d相当、つまり3+6=9となっている。
f:作業の大変さを考慮して、高額になっている。
メニューへ
一般社団法人 日本機械学会