日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第126号

 米国輸出を果たしたNC旋盤
MTC-2500R

 1960年代、日本の工作機械メーカ各社は、汎用工作機械の数値制御(NC)化へ取り組んでいたが、(株)山崎鉄工所(現 ヤマザキマザック(株))は1968(昭和43)年に汎用旋盤のNC化に成功し、Mazak Turning Center (MTC)シリーズを開発、1968年秋から製造販売を開始している。MTCシリーズは、1968年に日本国際工作機械見本市へ、翌年に米国の見本市へ出品され、1976(昭和51)年までに累計578台が生産された。
 このNC 旋盤Mazak Turning Center 2500R(機番200)は、1970(昭和45)年製で、国産NC機としては初めて米国に輸出されたモデルである。NC制御装置には、FANUC 240が搭載されている。X軸とZ軸は電気・油圧パルスモータで駆動され、最小指令単位0.01mmで、輪郭制御も可能である。NC制御装置は、紙テープのEIA/ISOコードによるNCプログラムを読み込んで動作する。本機は2008(平成20)年に米国より引き取られた後、本体および制御装置は熟練工によって再整備されて、ヤマザキマザック工作機械博物館に動態展示されている。NC機械の原理と構造を学ぶための機械技術教育資料としても価値ある機械である。

《写真提供:ヤマザキマザック株式会社》

公開

ヤマザキマザック工作機械博物館

開館時間:
10:00~16:30
入場料:
大人:500円、高校生・大学生:300円、小学生・中学生:200円
休館日:
月曜日(祝日の場合は翌平日)および年末年始
住所:
〒505-0037 岐阜県美濃加茂市前平町三丁目1-2
電話番号:
0574-28-2727
HPアドレス:
https://machine-tools-museum.mazak.com/
交通機関:

JR 美濃太田駅より、長良川鉄道 前平公園駅徒歩約10 分または美濃加茂市コミュニティバス
『あい愛バス』まちなかぐるっと線「ヤマザキマザック工作機械博物館」下車
東海環状自動車道 美濃加茂IC より約10 分

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