日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第121号
新井式回転抽籤器
全国の商店街などで抽選に使われる、通称「ガラポン」の元祖である。東京都港区の洋品店主・新井卓也が開発し、1930(昭和5)年に最初の特許がとられ、全国に普及した。青森県弘前市にある1913(大正2)年創業の万年筆・文房具店「平山萬年堂」が所有する当該器には、製造会社「東京抽籤器製作所」の所在地として“東京三田”の銘板がついているため、1932(昭和7)年の会社移転以前の製造である。当時の新聞記事から1931(昭和6)年製造と思われ、この抽選器としては最古級である。形式は、初期に生産された、外形が円形で、機械の前部から抽選球が出てくる形式の複装式二号型である。本体、受皿、抽選球(セルロイド製)のほか、当選時に鳴らす鐘が揃っており、保存状態もよく、スムーズに稼働する。一度に複数の球が排出されない機構には独創的な工夫が見られる。また、この機構は、発明博覧会で審査にあたった日本機械学会の元幹事長(会長)眞野文二らに高く評価されており、機械としての完成度も高いと言えよう。抽選の様子を根本的に変化させたという社会的な影響から、重要な文化的遺産である。
《写真提供:日本機械学会》
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平山萬年堂
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- 〒036-8182 青森県弘前市大字土手町105
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