日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第107号
江戸前寿司自動にぎり機 ST-77
寿司ロボット1号機
1981(昭和56)年に鈴茂器工(株)の創業者鈴木喜作社長が当時の減反政策に対して、米の消費を拡大したいと考えて開発した、にぎり寿司のシャリを握るロボットの1号機である。寿司職人の握る一連の高度な動作を徹底的に研究し、「つまんで崩れず、口に含んでほぐれる食感」と同じ完成度を実現した。寿司飯にぎりロボットの機構は、間欠運転するベルトコンベアの上方に設置したホッパー内に設置した独自設計の計量装置により、シャリを定量に分割する。それをコンベアで移動させ、シャリを傷めないように縦横および上下方向の二段階に分けて圧縮成形し、シャリ玉を連続的に適度な固さに仕上げる。
寿司ロボット1号機の江戸前寿司自動にぎり機 ST-77は、毎時1,200貫の成形が可能で、安価なにぎり寿司の提供に貢献し、国内外に回転寿司の発展と寿司の大衆化を広めた原動力となっている。
なお、当時は他のメーカーも存在したが、小規模で撤退し、現在では同社が国内外のシェア1位で、世界80ヵ国以上に輸出している。
ちょうど良い握り加減を追求し、試行錯誤によって作り出したその手法は、舌の肥えた日本人を満足させることができ、その技術はまさに機械による巧の技と言っても過言ではなくまさに日本の寿司文化に大きな影響を与えた存在である。
《写真提供:鈴茂器工株式会社》
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鈴茂器工株式会社 東京工場
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- 住所:
- 埼玉県比企郡川島町戸守荒神495-1
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- https://www.suzumo.co.jp
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