日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第101号

日本の一眼レフカメラを世界水準へと進展させた
アサヒフレックスⅠ・ⅡB、ミランダT、ズノー、ニコンF

 日本カメラ博物館は主要な国産カメラを系統的に収蔵している。その中で1950年代の5機種は、「カメラといえばドイツ」という評価を逆転させた機械式一眼レフカメラである。その理由は、なんといっても利便性、次に堅牢性といえる。
 アサヒフレックスⅠ(1952年・旭光学工業(株)(現リコーイメージング(株)))は、ウエストレベルだが透視ファインダーも併設し、スクリューマウントによるレンズ交換式、エバーリターン方式のミラー機構の一眼レフカメラの先駆けとなった。のちに「ⅡB」型(1954年)にて、クイックリターンミラー方式へと発展した。ミランダT(1955年・オリオンカメラ(株))は、ペンタプリズムを搭載し、左右逆像を解消し、正立正像とした。一眼レフカメラの実用化に道を拓いた。ズノー(1958年・ズノー光学工業(株))は、“完全自動絞り”と呼ばれる、ボディ内機構と連動してレンズ内の絞り開閉を自動で行う機構を備えた。ニコンF(1959年・日本光学工業(株)(現(株)ニコン))は、はじめて一眼レフカメラシステムを構築した機種といえる。後発だが、それまでに実現したほとんどの機構を備え、豊富な交換レンズや専用モータードライブ、フラッシュなどのアクセサリーを用意することであらゆる撮影に対応させた。堅牢性も高く評価され「プロユース」という言葉も生み出し、日本製一眼レフカメラが世界市場で認められた象徴的な製品となった。

《写真提供:一般財団法人 日本カメラ財団》

公開

日本カメラ博物館

開館時間:
10:00~17:00(入館は16:30 まで)
入場料:
一般300円 中学生以下無料 団体200円(10名以上)
休館日:
毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、展示替え期間
住所:
〒102-0082 
東京都千代田区一番町25 JCII一番町ビル地下一階
電話:
03-3263-7110
HPアドレス:
https://www.jcii-cameramuseum.jp/
交通機関:

東京メトロ半蔵門線半蔵門駅 4番出口より徒歩1分

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