日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第67号
国産機械「門形平削り盤」
―工部省赤羽工作分局製―
平削り盤は、テーブルを水平往復運動させ、バイトをテーブルの運動方向と直角方向に間欠的に送って、主として平面削りを行う工作機械で、19世紀初頭に欧米で開発されたものである。
本機は、1879(明治12)年、工部省赤羽工作分局で製造された、6フィート型の門形平削り盤である。平削り盤のトップビームに3つの菊花紋章が付けられている。機械の諸元は、全長2,815mm、全幅1,230mm、全高1,680mm、テーブル長2,060mm、テーブル幅672mm、ベルト車の直径500mmである。工部省赤羽工作分局は、工作機械国産化を目指して、現在の東京都港区に設立され、官民の需要に応じて、工作機械をはじめ、蒸気機関、水車、ポンプ、プレスなどの機械を製造した。
この門形平削り盤は、同所のカタログ『製造機械品目』に記載されたものの中から岩手県が発注し、北上川の船舶修理所の設備機械として使用した。その後、1901(明治34)年に岩手県立実業学校(現在の岩手県立盛岡工業高校)に実習用機械として引き継がれた。現在は博物館明治村に展示されている。日本機械工業の黎明(れいめい)期の国産技術の実状を今に伝える工作機械であり、その後の日本の工作機械工業発展の礎となったものである。
《写真:日本機械学会》
公 開
博物館明治村
- 開館時間:
- 年によって異なるため、詳細はホームページをご確認ください
- 利用料:
- 大人2,500円、高校生1,500円、
小・中学生700円 - 利用できない日:
- 不定期(詳細はHPで)
- 住 所:
- 〒484-0000
愛知県犬山市内山1 - 電話番号:
- 0568-67-0314
- HPアドレス:
- https://www.meijimura.com
- 交通機関:
- 名鉄電車犬山線犬山駅より明治村行バスで20分