日本機械学会「機械遺産」 機械遺産 第57号
国産化黎明期の家庭用電化機器
昭和初年に芝浦製作所(現 東芝)で製造された国産黎明期の家電群で、基本となる機器を輸入販売しつつ機構を解析し改良、製品化したものである。
1)電気冷蔵庫SS-1200型(1930年)
米国GE社製をモデルに製品化したもので、圧縮機とコンデンサが上部にあるモニタートップ型である。外国人技師に「日本の技術力では無理」と言われたことを跳ね返して製品化に成功したもので、冷蔵・冷凍という新しい食品保存方法を国内に拡めたといわれる。
2)電気洗濯機A型(1930年)
米国のハーレーマシン社(商標Thor)からの技術導入により製造されたもの。国産化にあたり筺体と攪拌羽根にGE社の特許技術を融合させている。1952(昭和27)年までは国産としては唯一の電気洗濯機であった(商標はSolar)。
3)電気掃除機VC-A型(1931年)
GE社製品をモデルに開発したもの。集塵袋が柄に取り付けられたアップライト型である。当初、認知度と価格の高さゆえ販売は思わしくなかったが、後発各社の発売とともに、一般家庭への普及が急速に進んだ。
これらは、外国技術の国産化過程を示すとともに、その製品化により日本人のライフスタイルを大きく変えることになった機器である。それぞれ動態保存を原則としており、初期のカタログも併せて保存されている。
《写真提供:東芝科学館》
公 開
※2024年6月29日(土)をもって一般公開終了
東芝未来科学館
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