一般的にバイパス比が15を超えるようなターボファンエンジンが超高バイパス比エンジンと呼ばれる.ターボファンエンジンとはタービンで大型ファンを駆動し,コアエンジンから排出される燃焼ガスの推力とともに推進に利用する形式のものである.ファンを通過した空気の一部はコアエンジンに送られるが,残りはバイパス空気となる.バイパス空気流量とコアエンジン空気流量の比がバイパス比と呼ばれる.大型旅客機など燃料経済性を重視する用途にはバイパス比の大きい高バイパス比エンジンが用いられ,バイパス比を10程度まで高くしたエンジンが実用化されている.また,ギアードターボファンエンジンはファン速度を減速機構により低下させることでバイパス比を12程度をまで増大させたものであり,P&W社により実用化されている.超高バイパス比エンジンとして,ファンをナセルの外部に設置したオープンローターが研究開発されているが,ファン騒音の問題などがあり未だ実用化には至っていない.