直交異方性材料に適用される破壊強度則の一つであり,一方向繊維強化複合材料においては、以下の式のように繊維方向,繊維直角方向,せん断方向のひずみが材料の破断ひずみに達したときに破壊すると判定する.
εL = εfL
εT = εfT
εLT = εfLT
ここで上式において,下付き添え字のL, T, Zはそれぞれ繊維方向,繊維直交方向,積層方向を示し,ε()は局所座標系のひずみを表す.またεfLは繊維方向破断ひずみ, εfTは繊維直交方向破断ひずみおよびεfLTは繊維方向破断ひずみである.引張破断ひずみと圧縮破断ひずみが異なる場合には,ひずみの正負でそれぞれを入れ替えて判定する.
組み合わせひずみ状態においては予測精度が低下するという欠点があるが,必要な試験データが少ないため低コストであるという利点を有している.三次元への拡張も容易である.なお材料のポアソン比が0ではないので,最大応力則と最大ひずみ則は同じではないことに注意されたい.