可視化エンジンとは，エンジン筒内の流動や混合気分布などを解析するために透明な窓を備えた実験専用エンジンである．透明な円筒形状を持つシリンダライナをシリンダヘッドとシリンダブロックの間に設置した全行程可視化タイプや，燃焼室上部に窓を設置したサイドウィンドウタイプなどがある．また，ピストントップに窓を備えた延長ピストンと45°ミラーの組み合わせにより，筒内を下方から可視化するタイプもある．窓の材質として石英やサファイアなどが用いられ，燃焼圧力や計測波長などにより選定が行われる．レース用エンジンの筒内流動解析を目的とした高回転型や，エンジン回転数6000rpmまでファイリング可能な可視化エンジンも開発されている．