スイング遮熱とは,エンジン筒内ガス温度に応じて筒内壁面温度を変化させることを目的とした遮熱材,または冷却損失の低減手法.吸気・圧縮行程では壁面温度の上昇を抑制することにより吸気加熱を防止し,膨張・排気行程では筒内ガス温度と壁面温度の差を小さくすることにより冷却損失低減を狙う.スイング遮熱材として低熱伝導率・低体積比熱を両立する物性が求められ,ディーゼルエンジンでは高い空隙率を持つ多孔質アルミナ膜,ガソリンエンジンではシリコン樹脂をベースに中空粒子を配合した遮熱膜が研究・開発されている.ディーゼルエンジンにおいては実用化されているものもある.