主に往復動機関における燃焼や筒内流動のサイクルごとの変動を指す．燃焼のサイクル変動の指標としては，筒内平均有効圧力のサイクルごとの変動値（変動比率）を用いることが多い．筒内流動のサイクル変動の指標は，筒内流速計測から求めた速度の時空間データ解析をサイクルごとに行い，得られた特性値（乱流強度，乱流スケール，エネルギスペクトルなど）とその変動から求められるが，サイクル変動の要因が完全に解明されておらず，さまざまな定義が提案されている．サイクル変動は機関出力変動に直結する因子であり，最小化することが求められる．サイクル変動は，筒内流動の変動，着火や点火の変動，火炎伝播や拡散炎進展の変動などが重なった現象であり，また，筒内状態量の変動だけでなく，吸排気系内の流動や状態量の変化にも影響を受けるため，その発生機構は完全には解明されていない．