りん光とは，蛍光よりも発光持続時間（寿命）が長い現象である．蛍光の発光時間は10ns程度であるのに対してりん光は10ms程度とされている．りん光を発する蛍光体は母材と発光中心から構成され，一般的に数μmから数十μm程度の微粒粉体である．時計の文字盤や蛍光灯などに用いられており，母材と発光中心の組み合わせにより赤・青・緑などの発光色を得ことができる．りん光の寿命や波長の強度比が温度に依存性を持つことから，Dy:YAGのりん光強度比からエンジン筒内ガス温度，La2O2S:Euのりん光寿命から壁面温度の計測が行われている．また，微粒粉体の特徴を生かし，PIVによる速度・りん光による温度（寿命法）の同時計測についても研究がなされている．
