2022年度定時社員総会特別企画 「日本はエネルギーでどこまで自活できる? -動力・電力への変換と需給システム-」
日時 2023年 4月20日 (木) 12:45~15:15(12:15受付開始、12:30開場)
定員 対面:200名、オンライン:定員制限無し
※対面参加は本会会員の方に限ります。
※対面参加をご希望の方は4月13日(木)正午までにお申し込み下さい。
趣旨
日本の1次エネルギー自給率は主要7か国の最下位,11%(2020年)であり,ウクライナへのロシアの侵攻が世界のエネルギー供給網に大きな影響を及ぼしている昨今,エネルギー資源の安定確保は喫緊の課題です.半世紀前のオイルショック以来,8割に迫っていた石油への依存度を低減するため技術開発を進め,エネルギーの多様化を図ってきました.しかし,依然として化石燃料(石油,石炭,天然ガス)全般への依存度は8割を超えています.一方で,2030年の温室効果ガス排出量46%削減,2050年の実質ゼロを政府が宣言する中,太陽光,風力,地熱,水力,バイオマス等の再生可能エネルギーの利用拡大,未利用エネルギーの社会実装,広域あるいはローカルに発電・蓄電・送電を行う電力需給調整に資する高効率エネルギーネットワークの構築など,従来の機械工学の範疇から情報通信工学,人工知能技術,都市工学,環境工学,社会学まで視野を広げた各種技術開発の模索が続いています.
本特別企画では,「エネルギーをどこまで自活できる? -動力・電力への変換と需給システム-」をテーマに,エネルギーの自活のための方策,エネルギー需給ネットワークの計画や調整などに関わる取り組みの現状を紹介します.
司会 中部 主敬(日本機械学会 庶務理事)
挨拶 加藤 千幸(日本機械学会 会長)
プログラム
12:50~13:20 地域エネルギー需給データベースに基づくエネルギーシステムの戦略的デザイン
中田 俊彦 氏(東北大学 教授)
地域社会のカーボンニュートラルへの円滑な移行を目的として,地域エネルギー需給データベースを用いた具体的な戦略づくりの基本を学ぶ.はじめにエネルギー需給の現状を知り,つぎに今後大規模な導入が予想される電気自動車やグリーン電力の役割と,バイオマスを含む地域再生可能エネルギー資源の効果について紹介する.
13:20~13:50 燃料電池 -日本のエネルギーの自活に貢献できるか-
伊藤 衡平 氏(九州大学 教授)
水素エネルギー社会の「一」要素技術である燃料電池は燃料から(電気)仕事を直接発生する.こういったことから内燃機関などとしばしば対比される.ここでは両者の違いを整理して,題目の「日本のエネルギーの自活」に対して燃料電池が貢献できるか考えてみたい.
13:50~14:20 持続可能な社会に向けた東芝のエネルギーソリューション
小坂田 昌幸 氏(東芝エネルギーシステムズ(株) チーフフェロー)
カーボンニュートラルの実現は,地球上に生きるすべてのものの期待であり大きな目標です.その為の大きな方策の1つが再生可能エネルギーの導入であり,それを支え拡大する諸技術の開発となります.一方で電力・エネルギーは重要な生活基盤であることから,エネルギーセキュリティやレジリエンス対応,安定的な需給も欠くことができません.持続可能な社会の実現を目指し,これらに取り組んでいる状況についてご紹介します.
14:20~14:50 再生可能エネルギー・複合ユーティリティサービス・カーボンニュートラル社会実装への取組み
安藤 靖人 氏(JFEエンジニアリング(株) 取締役専務執行役員 エネルギー本部長)
JFEエンジニアリングは,くらしの礎を「創る」,「担う」,「つなぐ」をパーパスに掲げるエンジニアリング会社で,廃棄物,バイオマス,地熱等の再生可能エネルギーに関わるプラントの計画・設計・建設のみならず,運転・メンテナンス,さらには事業運営まで行っている.特に最近ではバイオマス発電や廃棄物発電によって得られた電力を地元地域へ融通するネットワークづくりや,カーボンニュートラルの社会実装に取り組んでいる.これら事例を交えながら最新動向を概説する.
14:50~15:15 総合質疑