定時社員総会特別企画「電気を賢く貯めて使う時代の機械の新しい姿」
入場無料
日 時 2019年4月18日(木)12時45分~15時15分
会 場 明治記念館/東京都港区元赤坂2-2-23/JR中央・総武線信濃町駅より徒歩3分
趣 旨
「持続可能な開発目標(SDGs)」の7番目の目標は、「すべての人々に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」こととされています。また、第5次エネルギー基本計画では、温室効果ガスを2030年に28%、2050年に80%削減することを目指しており、主要施策として再生可能エネルギーの主力電源化と水素/蓄電/分散型エネルギーの推進が掲げられています。
これらの目標を達成するためには、太陽光発電、風力発電の普及や機械の電動化に加えて、電気をただ作るだけでなく、賢く貯めて、上手に使うことが達成の鍵となります。仮想発電所やグリッド安定化技術がもたらすエネルギー革命、それを支える電池、特に期待の大きいモビリティ分野に関する最新動向を講演いただき、新しいエネルギーインフラ時代の機械の姿を考えます。
講演内容 総合司会 日本機械学会 庶務理事 河村 庄造
開会にあたって 日本機械学会 会長 佐々木 直哉
① 12:50~13:20 「Society5.0の実現に向けた次世代電力システムの将来像」
(株)日立製作所 研究開発グループ センタ長 楠見 尚弘
日本の電力供給は、再生可能エネルギーの積極導入や人々のライフスタイルの変化もあり、規則的・計画的で発電から需要への一方向な流れから、不規則で即時性が必要な双方向の流れとなり、大転換期を迎えている。デジタル化を背景にエネルギーと情報の一括制御による超スマート化社会の実現に向け、次世代電力システムの将来像を示すとともに海外事例についても紹介する。
② 13:20~13:50 「次世代蓄電池-全固体電池の開発-」
東京工業大学 教授 菅野 了次
電池を固体で構成することは、電池の信頼性や安全性を向上する有効な手段であるが、このような電池は、ごく少数の例外を除いて存在しなかった。電解液に較べてイオンを通しやすい固体電解質が無かったためである。これまで固体電解質の開発を行い、2011年にリチウム超イオン伝導体Li10GeP2S12(LGPS)が有機電解液を上まわる伝導率を示すこと、2016年には全固体電池は出力特性に大きな利点があることを明らかにした。全固体電池は次世代蓄電デバイスの最有力候補になっている。
③ 13:50~14:20 「燃料電池システムの開発加速」
トヨタ自動車(株) CPE 木崎 幹士
環境・エネルギー問題への対応として、電気・水素の活用が期待されている。日本は国家戦略として「水素基本戦略」を策定した。燃料電池自動車は、その水素を燃料とする自動車であり、トヨタ自動車はMIRAIやSORAなどの燃料電池車を開発している。一方、世界の開発も活発化しており、今後は産官学の一層の連携で日本が誇れる技術として、燃料電池システム開発の加速が必要と考える。
④ 14:20~14:50 「電動化が切り拓く航空の未来」
(国研)宇宙航空研究開発機構 次世代航空イノベーションハブ・ハブマネージャ 西沢 啓
航空機のエンジンを電動化する技術は、燃費や整備費を大幅に削減するのみならず、次世代の都市型新航空輸送システム(Urban Air Mobility:UAM)を実現する可能性等も有しており、航空産業の未来を変える革新技術として期待が高まっている。国外におけるAirbusグループやUber等の電動化に対する取り組み、国内におけるJAXA、航空機企業、電機企業を中心にした航空機電動化コンソーシアムの活動、航空の将来像等について概説する。
⑤ 14:50~15:15 「総合質疑」
定員 200 名(先着順)
申込方法
事前申し込みは終了致しましたので、直接会場受付までお越し下さい。
受付開始は12時を予定しております