「よく分かる材料力学」 ―設計・生産技術者のための基礎講座 第11回―
【趣 旨】
最近は3次元CADと有限要素法を組み合わせたCAEによって,機械・機器・装置の設計効率を高める試みが日常となりつつあります.このことは,一人のエンジニアに幅広い知識を要求することになり,その結果,材料の強度を専門としてこなかった設計者が強度についても検討しなければならない状況になっています.また,CAEはコンピュータを扱うことから,比較的若いエンジニアに託される傾向にありますが,機械工学という学問領域は多岐にわたるため,現在必要とされる知識が学生時代に修得したものと一致しない場合もあります.こうなると,独学でそれらの知識を修めなければなりません.特に有限要素解析においては情報を入力すれば必ず解が得られるという利便性がありますが,その解の妥当性を検討するためには材料力学,弾性力学や破壊力学等の知識が欠かせません.ちょっとした境界条件の相違で解が大きく変わることは,しばしば経験することです.つまり,これらの学問体系をある程度修得しておかなければ,知らないうちに設計ミスを犯す可能性を秘めているのです.
本講習会は独学でこれらの知識を習得しようと考えていたエンジニアの助けになるものです.講師は現役の大学教員で材料力学を担当している方々です.大学の講義ほど十分な時間は取れませんので,この講習会がこの分野の学問を勉強するためのきっかけ(導入)となるように配慮しました.「学生時代に材料力学は苦手だったけれど…」,「当時はいったい何の役に立つのか分からなかったけど,こんなことになるなら….」等,もう一度,材料力学を勉強したい(しなければならない)エンジニアの方々のご参加をお待ちしています.
【題目・講師】
10.00-10.50/(1)外力と内力,応力とひずみ
力のつり合い,外力と内力の区別,さらには「応力」と「ひずみ」とは何かについて述べる.
青山学院大学理工学部 准教授 米山 聡
11.00-11.50/(2)はりの曲げ応力,はりのたわみ(1)
弾性はり(梁)における曲げモーメントとせん断力のつりあい,曲げ応力・曲げひずみ等について述べる.
青山学院大学理工学部 准教授 米山 聡
13.00-13.50/(3)はりの曲げ応力,はりのたわみ(2)
弾性はり(梁)におけるたわみの微分方程式の解き方について,基本的な静定問題を中心として例題演習を行う.
青山学院大学理工学部 准教授 米山 聡
14.00-14.50/(4)棒のねじり,座屈(1)
棒がねじりトルクを受けるときの,変形の仕方と力のかかり具合について述べる.
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授 水谷義弘
15.00-15.50/(5)棒のねじり,座屈(2)
はりが圧縮荷重を受ける時に生じる座屈現象について述べる.
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授 水谷義弘
16.00-16.50/(6)組合せ応力
モール円と2次元組合せ応力について述べる.
東京工業大学大学院理工学研究科 准教授 水谷義弘
【定 員】
60名,申込み先着順により定員になり次第締め切ります.
【聴講料】
会員13 000円,会員外23 000円,学生員2 000円,一般学生3 000円
いずれも教材1冊分代金を含みます.開催日の10日前までに聴講料が着金するようにお申し込み下さい.以降は定員に余裕がある場合,当日受付をいたします.なお,聴講券発行後は取消しのお申し出がありましても聴講料は返金できませんのでご注意願います.
【教 材】
教材のみご希望の方には,1冊につき会員2 000円,会員外3 000円にて頒布いたしますので,代金を添えてお申し込み下さい.講習会終了後発送いたします.なお,本講習会終了後は教材を販売いたしません.入手ご希望の方は本行事にご参加いただくか,または上記と同様の方法にて開催前に事前予約申込みをお願いいたします.
【申込方法】
本会ホームページ http://www.jsme.or.jp/kousyu2.htm よりお申し込みの上,聴講料をご送金下さい.FAXによるお申し込みの場合には http://www.jsme.or.jp/gyosan0.htm に掲載の行事申込書に必要事項を記入し,FAX〔03-4335-7617〕までお送り下さい.
【その他】
本講習会では大学学部教養課程で修得する微分・積分に関する基礎知識を必要とします.また,演習の際に,べき乗や対数の計算ができる電卓が必要となる場合がありますのでご持参下さい.
(担当職員 高橋綾)