講習会「ひずみ測定の基礎と応用」
【趣 旨】
機械や構造物の設計においては,安全性を十分に確保する必要があると同時に,軽量化や低コスト化が求められています.形状や境界条件が複雑な部材の応力やひずみを,材料力学や弾性学の知識のみで知ることは非常に困難です.現在は有限要素法などの数値計算法による応力・ひずみ解析が主流ですが,境界条件が複雑な問題などにおいては,得られた結果が実際とどの程度合致しているか疑問が残ります.そのため,実際に機械や構造物に作用している応力やひずみを正確に測定することが重要です.
本講習会では,技術者や研究者の方々を対象として,ひずみゲージを用いた測定法の基礎から,動的な測定法,特殊な環境下での測定法,光や画像処理を用いた方法など,種々のひずみ測定法の基本的な原理や特徴,さらには応用例について解説します.また,一部の方法につきましては,計測デモンストレーションを通じて理解していただきます.この分野の業務に携わっている技術者・研究者の方々はもちろん,学生の方々,機械や構造物の安全性に関心のある方々の参加をお待ちしています.
【題目・講師】 (司会 坂井 建宣)
9:30-9.45/(1) ひずみ測定の概要
応力・ひずみ測定の目的や各種測定法の概要について解説する.
豊橋技術科学大学 足立忠晴
10.00-10.50/(2) ひずみゲージを用いたひずみ測定の基礎 (デモンストレーション付)
電気抵抗ひずみゲージによる測定の基本原理(ひずみゲージの基礎・特性,ブリッジ回路など)や,各種ひずみ測定器,測定精度の向上(温度補償,各種ノイズ対策など),多点ひずみ測定,主ひずみ算出法(ロゼット解析)などの測定実務に密接に関わる具体的な技術について,デモンストレーションを交えながら解説する.
株式会社東京測器研究所 渡辺智美
11.00-11.50/(3) 動的ひずみ測定の基礎と応用
動的ひずみ測定法の原理や測定器,その他種々の動的応力・ひずみ測定法を紹介し,それらの応用例について解説する.
豊橋技術科学大学 足立忠晴
13.00-13.50/(4) モアレ法による微小変位・ひずみ測定の基礎と応用
サンプリングモアレ法による二次元面内変位・ひずみ分布と面外変位測定法について,基本的な原理と応用例を解説する.
産業技術総合研究所 李 志遠
14.00-15.10/(5) デジタル画像相関法による変位・ひずみ測定
デジタル画像相関法による二次元および三次元表面変位・ひずみ測定法について,基本的な原理と応用例を解説する.
青山学院大学 米山 聡
15.20-16.30/(6) 特殊環境下におけるひずみ測定
特殊な環境(高温,低温,水中,高圧など)におけるひずみ測定法とその応用例を解説する.
日本工業検査株式会社 高山博光
デモンストレーション
ひずみ計測法 株式会社東京測器研究所 渡辺智美
デジタル画像相関法 ダンテック・ダイナミクス株式会社 毛利隼人
【定 員】
60名,申込み先着順により定員になり次第締め切ります.