講習会「流体とインフォマティクス~最適化,統計データ分析で見えてくる新しい世界~」
【開催日】
2016年12月22日(木) 9:30 ~ 16:50
【協 賛】
日本計算工学会,日本気象学会, 日本航空宇宙学会,日本混相流学会,日本シミュレーション学会,日本伝熱学会,日本流体力学会,可視化情報学会,自動車技術会,ターボ機械協会,日本ガスタービン学会,オープンCAE学会,情報処理学会,進化計算学会
【趣 旨】
設計・研究の現場において,「もっと効率的に設計パラメータを評価したい」,「計測,解析データから有意義な情報を抽出したい」と感じることはないでしょうか.近年,従来の工学的手法と情報科学的アプローチを融合し,有用な情報を抽出する新しい問題解決手段が着目されています.本講習会では,その中でも特に流体問題への適用に着目し,最適化をはじめとして,データ同化,不確かさ評価などの新しい問題解決法と,その実際の適用例に関して広くご紹介頂きます.また,オープンソースソフトウェアを用いた最適化問題への取り組み方,適用事例もご紹介いたします.流体や最適化のソフトを取り扱っているベンダーによる展示,紹介も行います.本講習会は,主に企業の技術者・研究者や,学部・大学院の学生の方々を対象としております.多数の皆様の参加をお待ちしております.
【プログラム】
9:20~ 9:30 挨拶・諸説明
株式会社 日立製作所 杉井 泰介
9:30~11:00「フルードインフォマティクス2.0」
東北大学 大林 茂
2010年,日本機械学会編「フルードインフォマティクス ―「流体科学」と「情報科学」の融合―」が出版された.科学技術イノベーション総合戦略2016でSociety 5.0 の実現が謳われる今日,その重要性はますます高まっている.フルードインフォマティクスの新たな展開を概説する.
11:10~12:40「データ同化の手法とその最近の動向」
統計数理研究所 中野 慎也
データ同化は,数値シミュレーションに観測データの情報を取り入れることを意味し,観測された現象をシミュレーションで精度よく再現するために用いられる.データ同化の手法は,元々,数値気象予報の性能向上のために発展してきたが,現在ではさまざまな分野・対象に適用されるようになってきている.本講義では,現在,数値気象予報などの実用的な問題で使われているデータ同化手法や,その最近の動向について紹介する.
12:40~13:40 ベンダーによる展示(昼休み,予定)
13:40~14:40 「流体解析・設計における不確かさの定量的評価」
東北大学 下山 幸治
実世界に見られる流体現象は,無数の不確かな物理要因が複雑に絡み合って発生する.流体現象の再現を目的とした数値解析は通常,こういった不確かさの存在を無視して単純化されることが多く,その結果は実現象とかけ離れたものとなる.また工学設計においても,製造誤差や環境揺らぎなどの不確かさが存在し,設計対象とする製品の品質,すなわち設計の信頼性に大きく影響する.本講義では,実世界に存在する不確かさを数理モデル化し,流体解析および設計に取り入れ,不確かさに対する物理量の挙動を定量的に評価することで,複雑な流体現象の正しい理解および実用に耐えうる工学製品の創出に向けた取り組みを紹介する.
14:50~15:50 「企業におけるポンプを中心とした流体最適設計への取り組み」
株式会社 荏原製作所 関野 夕美子
コンピュータや流れ解析技術の発達とともに,企業でも最適化技術を設計開発に利用できるようになっている.本講義では,ポンプを中心とした流体機械の流路を,逆解法,数値最適化,DoE,多目的最適化,Adjoint法などを用いて最適化した事例や,複合領域最適化技術を用いてポンプの形態を最適化した事例について紹介する.
16:00~16:45 「OpenMDAOの使用方法と事例紹介」
ダイキン工業株式会社 片山 達也
オープンソースソフトウェアであり,工学的な最適化問題を取り扱うことのできるOpenMDAOについて紹介する.また,インストール方法や基本的な使い方,OpenFOAMなどの他のソフトウェアとの連携など,講習後の利用に向けたOpenMDAOの使用方法を解説するとともに,実際の適用事例についても紹介する.
16:50~17:20 ベンダーによるショート・プレゼンテーション
当日の出展べンダー数社(予定)
18:00~20:00 懇親会(予定.懇親会費は別.詳細は講習会申込者に別途連絡.)
【定 員】
50名.申込み先着順により定員になり次第締め切ります.