―現場に即した機械設計― 機構学の基礎理論と実際の現場から得た勘所の事例紹介
[協賛:日本IFToMM会議,精密工学会,計測自動制御学会,日本ロボット学会,日本設計工学会,日本歯車工業会,日本カム工業会]
【開催日】
2016年10月24日(月)
【趣 旨】
機械を設計するには,1.概念設計,2.基本設計,3.詳細設計と三段階のフローを経る必要がありますが,基本設計において,機構学は非常に重要かつ有効な技術理論です.例えば,機構学による運動解析により機械各部の動きを知ることができ,力学解析により各部に作用する力を知ることができます.これらの解析技術を活用することによって,目標となる動きを作り出すための機構設計,適切な摺動部設計,各部の強度設計などに直接必要な諸条件値を求めることができます.
しかし,製品や実際のものを対象として運動解析し作用する力を試算したものの,実際には何倍もの力がかかっており,動きが鈍い,さらにはロックしてしまう,といったことが発生する場合があります.一方,昨今のCAE(Computer Aided Engineering)技術を駆使した詳細なモデルによる解析が容易に可能となっていますが,単に形状のみを3D-CAD等でモデル化しただけでは実測結果と一致させることは難しく,対偶と呼ばれる組み合わせ部分のガタやそこにかかる力,転がりやすべり接触時の摩擦などを十分に考慮した解析が必要になります.また,詳細設計前には上記技術理論をベースとして状況に即した基本設計の概算,解析結果との整合性,妥当性の確認が重要であり,技術者は得られた結果をどう解釈し,整理するかといった,本質的かつ基本的な機構設計の概念を把握することが求められます.
本講習会では,午前には基礎編として,機械設計に活用できる機構学の基礎を解説していただきます.午後は応用編として,これまで特にご要望の多かった,理論と実際の隔たりを埋める「現場で得た勘所」を事例紹介と共に解説します.応用編は,企業ご出身の先生方を講師にお招きし,実際の現場での経験から,問題解決に至る糸口の見つけ方,着眼点を実体験に基づいてお話しいただき,理解度を深めていただきます.また,そのメカニズムを体感できる機構モデルを用意して実際に触っていただき,学んだ理論を体感していただけるように準備しております.
これから機械設計の実戦力を身につけていきたい学生諸氏や若手技術者のみなさんをはじめとして,現場で技術課題を抱えている一線の機械設計者・研究者の方々まで,多数のご参加をお待ちしております.
【題目・講師】
9.35~10.30 基礎編:機構学の基礎および機械のモデル化 南後 淳(山形大学)
10.40~11.35 基礎編:機構の運動解析による部品間の相対運動 樋口 勝(日本工業大学)
11.45~12.40 基礎編:機構の力学解析による部品間作用力と作用位置 大岩孝彰(静岡大学)
12.40~13.40 休 憩
13.40~14.35 応用編:管内移動ロボットの機構およびモータ駆動系の設計事例 宮川豊美(愛知工科大学)
14.45~15.40 応用編:容積型圧縮機での摩擦の影響と対称機構による無反動化 早瀬 功(東京大学)
15.50~16.45 応用編:現場の実例に基づいた摩擦の影響を体感する機構教材の紹介 山中 仁(沼津高専)
17.30~19.30 技術交流会(※)
※講師への技術相談などを行う場としてぜひご活用下さい.参加費 2 000円 は当日会場にて申し受けます.
【定 員】
40名,申込み先着順により定員になり次第締め切ります.