理工系大学生・大学院生・高専生を対象としたセミナー 「ものづくり最前線」
2015年11月28日 | 生産加工・工作機械部門特別講演会主催No.15
【日時】
2015年11月28日(土) 13:00~16:45
【趣 旨】
機械工学を学ぶ学生諸君,大学・高専では機械工学全般にわたる講義を受け,その基礎を学んでいることと思います.機械工学は「ものづくり」の学問であり,諸君の先輩たちも「ものづくり」の最前線で活躍されています.大学・高専で「ものづくり」に関するより深い知識を得ることはもちろん重要ですが,同時に先輩たちが「ものづくりJの最前線でどのような活躍をされているのかを知っておくことも将来に備える上で大変重要です.
今回は,各分野の日本を代表する企業の中で「ものづくり」の最前線で活躍されている先輩たちに,その仕事振りを熱く語っていただきます.製品の裏に隠れた先輩たちの苦労やそれを成し遂げたときの喜び,仕事に対する誇りを知ることにより,諸君の将来を身近に感じることは.学習や研究を行う上での動機付けを得るために有用であり,また,進路選択にも役立つものと思います.学生諸君の積極的な参加を期待します.
【プログラム】
13:00 ~13:05/あいさつ
司会:大阪府立大学工業高等専門学校 機械システムコース 准教授 田代 徹也
13:05 ~13:45
(1)クリーンディーゼル開発最前線
マツダ(株)パワートレイン開発本部エンジン性能開発部 牛谷 真樹
地球温暖化や排出ガス規制強化を受けて,優れた燃費性能および排気ガスのクリーン化が求められている.今回,軽量コンパクト化というディーゼルエンジンにとって困難な制約を克服しながら,先に開発した2.2Lより更なる進化を遂げた新型1.5L低圧縮比クリーンディーゼルエンジンを開発した.本講演では優れた走行性能およびクリーン排気,熱効率改善を高次元バランスで実現した新技術とそのエンジン性能について紹介する.
13:45 ~14:25
(2)私たちの生活と工作機械
ヤマザキマザック(株)技術本部 制御設計部 鈴木 康彦
工作機械は「機械をつくる機械」,「母なる機械」,「マザーマシン」とも呼ばれ,私たちが日常生活で普段何気なく使っているさまざまな製品をつくるのに,大変重要な役割を担っている.本講演では,工作機械とはどういうものか,どんなことができるのかに始まり,1ミクロンメートルの精度や1Gの加速度,10000回転/分の回転速度,1ミリ秒の時間など 家庭や学校での生活ではあまり体感することのない工作機械の世界を紹介する.
14:25 ~15:05
(3)電気自動車,ハイブリッド自動車用リチウムイオン電池の開発
(株)GSユアサ 研究開発センター研究開発戦略室 片山 禎弘
地球温暖化,オイルピーク問題を背景として,電気自動車,ハイブリッド自動車を始めとした自動車の電動化が加速している.この電動化のキーデバイスの一つがリチウムイオン電池であり,その性能はここ数年で大きく進化しつつある.本講演では,リチウムイオン電池の原理・材料・構造・製造方法といった基本技術から,リチウムイオン電池の現状性能とその課題,さらには次世代リチウムイオン電池の研究開発状況について紹介する.
15:05 ~15:15 休憩
15:15 ~15:55
(4)建築・土木用鋼材製造技術開発の最前線
新日鐵住金(株) 和歌山製鐵所 形鋼部 河合 雅典
新日鐵住金は全国12箇所に製鉄所を保有し,お客様に様々な鉄鋼商品をお届けする総合鉄鋼メーカーである.私たちの基本理念は「常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し,優れた製品・サービスの提供を通じて,社会の発展に貢献」であり,世界最高の技術開発に日々挑戦している.本講演では高層ビルなどに使用される建築鋼材・港湾や河川などインフラ整備に使用される土木用鋼材の商品・プロセス開発の事例を通じ,「総合力世界No.1の鉄鋼メーカー」を目指す技術者のものづくりへの熱い思いを紹介する.
15:55 ~16:35
(5)非球面モールドレンズとその加工技術
パナソニック(株)AVCネットワークス社 田中主税
パナソニックは,特徴ある商品を作る為には特徴ある部品を作ることが重要と考え,各種デバイスも自社内で開発・生産し,デバイス単体での外販も行っている.デジタルカメラ等の光学商品に用いられるレンズもその1つである.本講演では非球面レンズのモノづくりにおける加工技術について,具体例を用いて紹介する.
16:35 ~16:45 質疑・終わりのあいさつ
【対象】
大学生,大学院生,高専生
【定員】
50名(先着順で満員になり次第締め切ります)