講習会 「有限要素法による構造強度設計入門(CAEで正しい結果を得るための実践的知識を学ぶ)
【趣 旨】
CADツールにCAEが標準装備されるようになり,CAEは設計においてますます身近なツールとなりつつあります.一方,CAEの結果の品質が問われるようになり,品質向上が業界・学会で議論されています.本講習会は,最も応用が多い構造強度設計をモチーフに,CAE(有限要素法)を使った設計に必須となるモデリング及び結果の検証と妥当性の確認(Verification and Validation: V&V)の考え方と重要性を理解し,有限要素法による構造強度設計の実務的な手順を学習することを目的とします.
講習は,有限要素法を”使う”ことに焦点を置き,実際のCAE設計分野において理解が不十分のため問題となっている部分を集中的に講義します.力学(材料力学,材料・構造強度),シミュレーション(有限要素法),モデリング(材料物性値,境界条件,実験/計測)の三つの学問軸の重要性とそのつながりの講義の後に,有限要素法を使った構造強度設計の例題を基に,力学的本質の捉え方,モデリングとV&Vの実践的なポイントに関する実践的演習を行います.
本講習の対象は,CADユーザーでCAEを扱っている技術者,有限要素法を業務としてはじめた技術者/研究者,有限要素法の原理ではなく実用的な知識を学んでみたい技術者/研究者/学生です.
【題目・講師】
10.00-10.45/(1)CAEで正しい結果を得るためには?
CAEで正しい結果を得るために必要な基礎知識,実践的知識とは何か?モデリングとV&V(Verification and Validation)の大切さについて解説する.
東京大学 泉 聡志
10.45-12.00/(2)事例紹介による問題設定や解析結果
塔,船舶,航空機,宇宙構造物などの解析事例を通じて有限要素解析における問題設定や解析評価について解説する.
MSCソフトウェア 渡邉浩志
13.00-14.15/(3)有限要素法のための応力・ひずみテンソルの基礎
有限要素法の結果の解釈のために必須である応力・ひずみテンソルの概念 座標変換,主応力,ミーゼス相当応力の概念について解説する.
MSCソフトウェア 渡邉浩志
14.15-15.45/(4)有限要素法による構造解析の基礎
有限要素法の理論,メッシュの切り方,要素の選び方,モデリング(材料物性値,境界条件)など,CAEで正しい結果を得るための実践的知識を学ぶ.
東京大学 泉 聡志
16.00-17.00/(5)有限要素法解析の実践的演習
構造強度設計の例題を基に,力学的本質の捉え方,V&Vの実践的なポイントの演習を行う.
東京大学 泉 聡志,MSCソフトウェア 渡邉浩志
【定 員】
50名,
定員を超過した場合はご遠慮頂く場合があります.同一団体からの重複参加等によって調整させていただきます.
【教 材】
教材はなく当日配布資料のみとなります.