特別講演会「生物の制御原理の解明とその工学的応用」
【開催日】
2014年11月26日(水)16:20-17:20
【講師】
理化学研究所 下田真吾氏
【講演概要】
生物は刻一刻と変化する自然環境の中で,どのように柔軟かつ合目的的に行動を生成しているのであろうか. 脳に代表される生物の制御システムで
は同質な計算素子が生得的な活動則に則って淡々と動いており,そこには全体を俯瞰する評価関数は存在せず, 身体の詳細なモデルも持ちえない. 環
境へ適応するための唯一の手がかりは,自らの行動によって発生する環境との相互作用であり, その情報を取り込むことで行動を環境により適したも
のへと変化させていくのである. 本講演ではこの生物の制御法に基づく環境適応手法としてTacit learningの概念を紹介し,歩行学習や義手制御へ応
用例を用いて生物制御原理の工学的応用の可能性を追求する.