イブニングセミナー(第173回) 福島県南相馬市における東日本大震災の被害 -地震動,津波,放射能汚染と除染-
【開催日】
2014年6月25日(水)18.00~20.00
【趣 旨】
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
【テーマおよび講師】
2011年3月11日14時46分,東日本大震災が発生した際,この地震動は,かつて1978年6月12日,宮城県沖地震時,高橋が仙台市内における地震動をはるかに上回っており,大津波の襲来を確信した.南相馬市では,襲来した大津波によって全市の10%が浸水し,525人の犠牲者が出た.3月14日には福島第一原発3号機の大規模な爆発により,多くの住民が大混乱の中で避難したが,現在でも帰還できない住民も多く,震災関連死が直接死を上回る勢いで増加(447人;2014年2月末)している.
このため南相馬市は,地震動・津波・放射能被害の三重苦に喘ぐ結果となり,復興も遅々として進まない状況にある.
皆様には本報告が,地元の建設コンサルタントが,この未曾有の大震災の復興・復旧に取り組んだ現地の記録として,知っていただきたいと願っております.
講師:高橋正則(庄建技術(株)技術士;応用理学部門・建設部門)
<懇親会> 大学近くの「パブレストラン アミ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
会費 3 000円程度
【次回予定】
2014年7月30日(水)18.00~20.00
医療を産業ととらえた時の産業界の課題
-スイス製同時5軸マシニングセンターを設置して思うこと-