第309回講習会 「熱・流体エネルギーシステムのフロンティア技術を学ぶ」 ─クリーンエネルギー利用技術の最新動向─
【協賛】
日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本 計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本化学会,日本伝熱学会,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技 術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良工業会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,ヒートポンプ・蓄熱セ ンター,エネルギー・資源学会,空気調和・衛生工学会近畿支部,日本建築学会近畿支部,電気学会関西支部,電気設備学会関西支部,日本技術士会近畿支部
【趣旨】
エネルギーの中核である熱・流体エネルギーに関し,機械工学は変換・貯蔵・輸送及び利用のあらゆる技術の中心になっており,常にその革新が図 られています.機械工学に携わる者は,その最前線と,背景となる基礎的事項について理解を深めておく必要があります.
そこで,日本機械学会関西支部では,「クリーンエネルギー利用技術の最新動向」と銘打って,基礎的なスクーリング的要素と,今後の展望に関す る基調講演的要素,それに関連各社の開発状況の情報交換的要素を兼ね備えた新方式の講習会を行うこととしました.
今回は,昨今非常に注目度が高いクリーンエネルギー利用に関する最新動向にスポットを当てます.
太陽エネルギーおよび風力/水力エネルギーに関する,機器とアプリケーションについての基礎的事項を講義し,さらに,製品開発・普及の最前線 の動向を関連する企業からの講演を交えた情報交換を行います.実際に従事されている方はもちろん,これから取組もうとされている方,また,機械技術者とし てこれらに関する知識を身に着けようと考えておられる方,等々,様々な方にとって有意義な内容でありますので,多数の参加を希望いたします.
【キーワード】
太陽熱,吸収式冷温水器,太陽熱発電,熱,流体,波浪発電,風力発電,水力発電,エネルギーネットワーク
【内容】
第1部(1日目:9月16日(木)):熱エネルギー利用講座
◆熱エネルギー利用講座-1 9.20~12.30
1
9.20~10.20
ソーラークーリングシステムの最新動向 若林 努
(大阪ガス(株))
業務用吸収式ガス空調システムに太陽熱を組み合せたソーラークーリングシステムに関して,ガス事業 者での実証試験の状況や,2009年度に経済産業省からの委託で日本ガス協会にて実施した技術調査や省エネ試算などについて説明する.
2
10.20~11.20
最新の吸収冷温水機─三重効用高効率吸収冷温水機 牧田 和志
(川重冷熱工業(株))
吸収冷温水機は,事務所ビル等の空調用熱源として広く採用されている.現在,普及している二重効用 型から,大幅に効率向上を図った最新の三重効用型について開発のポイント,省エネルギー性,特長などを紹介する.
3
11.30~12.30
太陽熱温水器の開発状況 時岡 義雄
((社)ソーラーシステム振興協会)
太陽熱利用システムの開発は長らく停滞していたが,ここ数年,太陽熱メーカー各社から新製品の開発 が多くなってきた.これら新製品の紹介と,今後の展望等を紹介する.
◆熱エネルギー利用講座―2 13.30~17.40
4
13.30~14.30
サンベルトの太陽熱発電技術 玉浦 裕
(東京工業大学)
東工大式ビームダウン太陽集光システムは溶融塩蓄熱設備の採用により,24時間ベースロード発電が 可能である.中東アブダビでの実証試験結果を踏まえた低コストの商用プラント技術開発について説明する.
5
14.30~15.30
超臨界CO2を用いた太陽熱発電・給湯システム 山口 博司
(同志社大学)
熱源に太陽エネルギー,熱媒体にCO2を用い,超臨界状態におけるランキンサイクルにより発電およ び給湯を行うシステムの概要について説明する.
6
15.40~16.40
熱工学の基礎
─持続可能社会に向けたエネルギー利用の基礎知識─ 円山 重直
(東北大学)
エネルギーの基礎知識とその有効利用の基礎知識を熱力学と伝熱工学の観点からわかりやすく解説し, グリーンイノベーション社会構築に向けたエネルギーの有効利用について考える.
7
16.40~17.40
ふく射伝熱の基礎と最前線 円山 重直
(東北大学)
熱ふく射の基礎を概説し,地球温暖化におけるふく射伝熱の役割を明らかにする.さらに,ナノ構造を 用いた新しいふく射伝熱制御と省エネルギーについて紹介する.
第2部(2日目:9月17日(金)):流体力学の応用
◆流体エネルギー利用講座-1 10.00~12.00
1
10.00~11.00
流体エネルギ利用技術のための流体力学 辻本 良信
(大阪大学)
流体エネルギ利用技術の基礎となる流体力学を概説し,各形式の風車の作動原理を解説する.
2
11.00~12.00
ジャイロを用いた波力発電システム 神吉 博
((株)ジャイロダイナミクス)
遅れている日本の波力発電の実用化を加速するため,新しい原理の波力発電システムを開発中である. 高効率,コンパクトで無公害なシステムを目指して実証実験を行っている.原理,実験状況や実用計画などを紹介する.
◆流体エネルギー利用講座-2 13.00~16.10
3
13.00~14.00
風力発電システムの現状と今後の動向 宮元 慎一
(三菱重工業(株))
風力発電はクリーンな電源としての期待が大きく,導入量が急激に増加している.本講義では風力発電 事業の市場動向,風力発電システムのしくみ,機種開発・技術開発の動向,今後の展開などを解説する.
4
14.00~15.00
小水力発電の現状と新しい発電システム(発電機一体リング水車)の開発 長谷川 英樹
(カワサキプラントシステムズ(株))
小水力発電は,CO2排出が最も少ない再生可能エネルギーであり,地球温暖化の防止に即効性のある エネルギーであること稼働率が高いことから再び見直されてきている.そこで,新方式の小水力発電システムであるリング水車の開発をした.
5
15.10~16.10
分散エネルギーネットワークにおける今後の展開とスマートグリッドとの相違について 毛利 邦彦
((株)eL-power technology)
分散エネルギーネットワーク技術は,日本では1997年ころより研究はされ,2003年にはマイク ログリッドとして実証試験が実施された.最近,米国から発信されたスマートグリッドは欧州ではスマートシティ,日本ではスマートコミュニティと称され,新 たに注目を浴びているスマートメーター,次世代自動車と分散エネルギーネットワークの議論が過激になってきている.スマートグリッドが求めるものは何か, マイクロガスタービンのような一過性のブームの再来となるのか?