日本機械学会 東海支部 第123回講習会 「数値シミュレーションの基礎と応用 ~最適化の基礎と応用~」
(協 賛)
精密工学会東海支部,自動車技術会中部支部,計測自動制御学会中部支部,日本材料学会東海支部,日本設計工学会東海支部,日本塑性加工学会東海支部
【開催日】
2014年01月22日(水)13:00~16:45
【趣 旨】
本講習会では,最適解を求めるための最適化手法から設計への意思決定・有益な知見を獲得するためにどのようにして最適化手法を活用するのかを実際の開発への応用例を交えて紹介する.
【プログラム】
13:00~13:05 開会挨拶
13:05~13:45
「ものづくりにおける数値シミュレーションの活用実態と課題」
トヨタ自動車株式会社 沢田 龍作 様
概要:
トヨタではエンジン開発の中,数値シミュレーション(以下CAE)を1980年ころより活用し始めたが,そのプロセス・インは2000年頃,CAE解析期間を1週間程度まで短縮することにより実現した.しかしその活用目的は形(CAD)ができてから,その信頼性などを評価するためのCAEで,形を作る(設計)段階では十分活用ができていない状況であった.近年,形として具現化する前の性能,燃費,エミッションなどの機能を最適化する段階で,思考を支援するCAE技術が強く求められている.今回,その取り組みを紹介する.
13:45~14:25
「考えるを支援する多目的ロバスト設計最適化支援ツール「modeFRONTIER」,
データマイニング事例のご紹介」
株式会社IDAJ インテグレーション技術事業部 インテグレーション技術部 竹嶌 道弘 様
概要:
近年,CAEや実験で得た多くのデータから有益な知見を得ることが大変注目されている.modeFRONTIERは「単なる解の探索ツールから意思決定支援ツールへ」というキーワードの下,最適化等で得られた結果からいかに有益な情報を引き出すか?という点に力を入れている.本講演ではmodeFRONTIERのデータマイニング機能を用い,パラメータの関係性や最適解を得るための規則性を明らかにした事例を紹介する.
14:25~15:05
「軽量化のためのトポロジ最適化技術の役割と基本骨格検討における設計活用のポイント」
株式会社ヴァイナス 技術三部 部長 高岡 秀年 先生
概要:
軽量化と製品性能向上の両立,及びCAEの活用による短期開発には, 設計実務経験に基づいた高度で専門的な設計コンサルティングによる 運用ノウハウの構築が効果的です.
今回は,Audi社・MAN Diesel & Turbo社等の海外事例を題材に,最適化技術の役割,並びにトポロジ最適化結果の妥当性の評価手法,及び荷重パス分析を交えた最適化結果の設計活用のポイントをご紹介させて頂きます.
15:10~15:20 休憩
15:20~16:00
「自動車衝突時の車両減速特性の最適化」
名古屋大学 大学院工学研究科 水野 幸治 教授
概要:
自動車の衝突時には車両減速度波形が乗員応答に大きな影響を及ぼす.ここでは車両減速度の最適化を最急降下法,遺伝アルゴリズムにより実施した例を示す.最適化した減速度波形は衝突ダミー,人体モデルにおいても有効であることを確認した.また,多目的最適化を用いて,様々な衝突速度において乗員減速度を最小化するための車両変形特性を検討した結果についても紹介する.
16:00~16:40
「ハイブリッドロケットエンジンの 概念設計最適化問題におけるパレート解の解析支援」
名古屋大学 大学院工学研究科 吉川大弘 准教授
概要:
多目的最適化問題(Multi-objective Optimization Problems: MOPs)においては通常,より性能の良い解を,より多く求めることに注力される.しかし工業分野等の実問題においては,単に性能の良い解を得るだけでなく,得られた解集合を解析し,設計者にとって有益な知見を得ることも重要な課題となっている.本講演では,JAXA(宇宙航空研究開発機構) から提供されたハイブリッドロケットエンジン(Hybrid Rocket Engine: HRE)の概念設計最適化問題を対象とし,進化計算手法(Evolutionary Computation: EC)により得られたパレート解集合に対し,可視化に基づくパレート解解析支援ツール“ADVICE (Advanced VIsualization tool based on geodesic distanCE)”に基づく解析支援を行う.
16:40~16:45 閉会挨拶
【定 員】
60名
【締 切】
2014年01月12日(日)
【企画幹事】
(株)豊田自動織機 伊藤 天
静岡大学 桑原 不二朗