講習会 回転機械の振動とHIL実習
2014年1月22日 - 2014年1月23日 | 機械力学・計測制御部門講習会主催No.13
【趣 旨】
ロータダイナミクス「回転機械の振動」は、回転に伴う不釣合い遠心力、ジャイロ効果、回転軸・軸受相互作用、翼振動など多くの要因が関係し、通常の静止構造物振動とは様相を異にします。これらを系統的に理解する試みとして、「正・続 回転機械の振動」が出版され、本書発行を機に、ロータ振動の考え方の神髄や技術ポイントを著者自らが解説するセミナーを企画しました。また、理解を助けるためにHIL(Hardware In the Loop、ロータキットに代わりPC/Matlabにて実機の異常振動を模擬、振動波形を実時間で出力)を用いる実習を行ないます。
実務に役立つように、各種の実際的振動問題への適用事例や実践的な知識を教授します。回転機械の開発・設計者、加えて現場で運転やメインテナンスに従事する方々を対象としています。また、ロータ振動の知見を新たに吸収する人、今までの経験的知識を体系的に再構成する人などにも好適です。
【題目・内容・講師】(敬称略)
1日目(1月22日)
08:30 開場、受付開始
09:00-11:00 ロータ振動基礎編
ロータ特有のジャイロ効果や軸受動特性を考慮した共振や安定性について解説します。また、翼振動なども含め、回転機械の振動に関する系統的な通論です。
松下修己 防衛大学校名誉教授 元日立製作所
11:00-12:00/12:50-13:50 すべり軸受の力学
すべり軸受油膜の力学、特に動特性(ばね、減衰)を解説します。また、すべり軸受・ロータ系の安定性や不釣合い振動共振感度に与える影響について解説します。
田中正人 東京大学名誉教授 元富山県立大学学長
14:00-16:00 実機振動問題の事例研究
実機振動問題の事例がv_BASE(データベース)に収録されています。この中の数例を抽出し、共振や自励振動に関する実機トラブル対策法を解説します。
小林正生 IHI
16:00-17:00 実習1
ロータHILと振動診断(バランス,制振他)
防衛大准教授 藤原浩幸/松下
2日目(1月23日)
08:30 開場
09:00-11:00 磁気軸受および振動信号処理
磁気軸受ならびに電子回路と一体のロータ振動制御方法を紹介します。また、振動対策の現場で重宝するFFTなどの各種振動信号処理方法を解説します。
松下修己 防衛大学校名誉教授 元日立製作所
11:00-12:00/12:50-13:50 ロータ振動応用編
実機ロータ振動問題に対処することを念頭に、バランス、共振感度低減、軸受安定化などの振動低減化のための実務者向け基礎応用知識を伝授します。
神吉博 神戸大学名誉教授 元三菱重工
14:00-16:00 回転機械の振動診断
ころがり軸受も含め、各種回転機械の振動診断方法について事例を交え解説します。ISO 機械状態監視診断技術者(振動)の認証試験に向けた実践的知見を提供します。
古池治孝 岡山大学客員教授 元川崎重工
16:00-17:00 実習2
ロータHILと振動診断(自励振動と安定化など)
防衛大准教授 藤原浩幸/松下
【定 員】
50名(申込み先着順により,定員に達ししだい締め切ります.)