日本機械学会関西支部 第329回講習会 「機械加工・計測の基礎とものづくり最前線」 -データの流れとモノの流れ-
(協 賛)
エネルギー・資源学会,化学工学会関西支部,可視化情報学会,空気調和・衛生工学会近畿支部,計測自動制御学会関西支部,システム制御情報学会,自動車技術会関西支部,精密工学会関西支部,電気学会,電気設備学会関西支部,土木学会関西支部,日本化学会,日本ガスタービン学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本建築学会近畿支部,日本工作機械工業会,日本工作機器工業会,日本航空宇宙学会関西支部,日本材料学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本騒音制御工学会,日本塑性加工学会関西支部,日本鉄鋼協会関西支部,日本燃焼学会,日本バーナ研究会,日本フルードパワーシステム学会,日本マリンエンジニアリング学会,日本流体力学会,日本冷凍空調学会,日本ロボット学会,農業機械学会,溶接学会関西支部,ターボ機械協会,京都工業会,滋賀経済産業協会,奈良経済産業協会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,日本技術士会近畿支部
【日 時】
2013年12月3日(火) 9:00~16:30
4日(水) 9:00~17:30
【趣 旨】
近年,多様な価値観と環境に適応できるグローバルなものづくりが求められています.超小型化・高機能化,高密度化,高度な意匠性など,機械加工プロセスに対する要求も非常に複雑化すると共に,3D-CADデータによる一貫したものづくりによる製造プロセスの最適化・効率化が求められています.これらの要求に応えるためには,機械加工に関する物理現象を理解し,加工対象の形状などを高精度に計測・加工する技術を理解すると共に,最新ラピッドプロトタイピング技術を知ることが非常に重要です.この講習会では,加工機械計測の基本,加工形状計測の新しいアプローチや最新計測機器の現状,金属材料や樹脂材料のラピッドプロトタイピング技術,非接触3次元計測技術,リバースエンジニアリング技術が理解いただける内容となっています.機械加工に習熟された方やラピッドプロトタイピングに取り組もうとされている方はもとより,若手技術者の研鑽の場としても是非ご活用ください.
【題目・内容・講師】
12月3日(火)
(1)9:00~10:20 デジタルファブリケーションの最新動向
芝浦工業大学 デザイン工学科 安齋正博
3次元計測装置や3次元CAD・CAM・3Dプリンター等の性能の向上や普及により,3D-CADデータによる一貫したものづくり(デジタルファブリケーション技術)が進化している.経済のグローバル化に伴う製造業のグローバル化の視点から,デジタルファブリケーションの最新動向と製造プロセスの最適化・効率化を実現するための課題について解説する.また,米国オバマ政権の製造業再生政策が日本の製造業に与える影響についても言及する.
(2)10:30~12:00 3Dプリンターの応用例と著作権
(株)スリーディ・システムズ・ジャパン 小林広美
3Dプリンターは低価格化によって産業用から家庭用へと用途拡大が期待されている.造形品質を実現するための最新技術を解説し,教育分野,医療分野,製造分野における活用例を解説する.また,複製の際に生じる著作権侵害が問題になってきている.著作権がどのように保護されているのか,あるいは保護されていないのかについても具体的に説明する.
(3)13:00~14:10 2次元スケールによる加工機械の運動計測理論
大阪工業大学 機械工学科 井原之敏
切削・研削などの機械加工では,加工機械と工具-工作物間の相互作用によって形状が創成される.近年小さな部品を高速で加工するようになったため,機械や工具の性能が向上しているにもかかわらず所望の形状が得られないことが多い.原因を特定するために2次元スケールによる加工機械の運動計測が有効である.いくつかの実例を通して,機械の送り運動の計測理論を知る.
(4)14:10~15:20 高速加工における高速回転工具の機上計測技術
大昭和精機(株) 矢内正隆
高倍率・超高速シャッターカメラによる撮影と高精度画像処理演算により,高速回転中の工具の工具長や工具径(振れ)のサブμmの測定が可能となっている.この技術による高速加工における高速回転工具の機上計測技術について説明する.また、稼働時間経過による工具先位置の変化についてもご紹介する.
(5)15:30~16:30 複合加工機,5軸加工機の活用例
(株)森精機製作所 大岩一彦
3次元データによるモノづくりは,5軸機や複合加工機と高精度な機内計測により,複雑形状を高精度・高能率に加工出来るようになった.最新技術を使って,どのような部品をどれだけ高精度に加工できるようになったかの活用例を紹介する.また,「3Dデータの一気通貫」を実現するにはCADとCAMの連携が重要となる.設計から生産までのプロセルをどれだけ効率化できるかについて,5軸加工を中心に説明する.
12月4日(水)
(6)9:00~10:40 加工表面計測の基礎と最新動向
大阪大学 大学院工学研究科 高谷裕浩
加工表面の幾何学的,物性的基本特性と測定評価法の基礎を理解することによって,表面微細形状の機能や加工特性を効果的に評価することができる.そこで本講では,加工表面計測を活かすための基本から計測技術の最新動向までを講述する.また,計測技術の革新がどのようにモノづくりのプロセスイノベーションに繋がるかについても述べる.
(7)11:00~12:00 非接触表面微細形状測定システムの紹介と活用事例
キヤノンマーケティングジャパン(株) 佐藤慶一
光干渉を利用した非接触3次元光学プロファイラーは,あらゆる表面の微細形状を面領域でスピーディにデータ化できるため,製品開発から品質管理まで活用できる製品である.ここでは,走査型白色干渉などの基本原理から様々な活用事例について紹介する.また,表面微細形状の測定データが自動車などの品質向上にどのように活用されているかについても具体的に説明する.
(8)13:00~14:00 機上微細計測技術と精密部品の非接触形状測定
三鷹光器(株) 三浦勝弘
超精密・微細加工の分野で加工機から取り外さない状態で形状精度や粗さを測定し,修正加工できる技術の需要が広がっている.弊社ではポイントオートフォーカスを用いた非接触機上計測システムを十数年に渡り開発してきた.ここでは実際に製作したいくつかの機上計測システムと測定事例を紹介する.また,小径の工具刃先や精密加工部品等の形状測定・評価事例を紹介する.
(9)14:00~15:00 非接触3次元計測技術の紹介と活用事例
丸紅情報システムズ(株) 青木壮太
品質管理,リバースエンジニアリングやコンピュータシミュレーション結果の検証など非接触3次元計測技術の活用は多岐にわたっている.計測技術は,その計測目的に応じて様々な方法があり,形状やひずみなど,評価対象によって多様な手法が存在する.3次元スキャナや3次元変位計測技術の基礎とその活用法を,事例や最新動向も含めて紹介する.
(10)15:10~16:10 CADを用いた検査・リバースエンジニアリングのための測定データ活用事例
ダッソー・システムズ(株) 光本雅宏,稲垣直行
一般的に測定データにて生成される曲線や曲面は,自由曲線および自由曲面になり,CAD(CATIA)上に測定データを取り込んだ場合,選択した位置毎に半径(曲率)が変わってしまう.設計形状と比較可能な自由曲線,円弧や直線などの集合体に変換する手法を紹介する.また,本手法を用いて製品検査の精度を高めることができる事例についても紹介する.
(11)16:10~17:30 金属粉末積層造形法における高強度化・高硬度化技術
大阪府立産業技術総合研究所 中本貴之
金型や機械部品などの試作・開発や小ロット生産分野で金属粉末積層造形法が注目されている.鉄鋼材料から軽合金まで多岐にわたる材料を造形できるようになってきているが,溶製材と同等の高強度・高硬度を得るにはレーザ照射条件等の設定が重要である.本講演では,低炭素鋼,高炭素鋼や合金鋼の造形物の高強度化・高硬度化の事例について紹介すると共に,金属粉末積層造形法の原理,特徴,造形事例についても解説する.
【定 員】
100名
【聴講申込締切】
2013年11月26日(火)
(定員になり次第締切ります.定員に余裕があれば,2日前まで申込を受け付けます.)
【その他】
(1)申込受付後,受講券をお送りしますので両日とも必ずご持参下さい.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱いいたします.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.ご連絡のない場合は受講料をお支払いいただきます.
※講習会の申し込みに際しお届けいただいた個人情報は,受講券の送付,当支部からの連絡にのみ使用させていただきます.