講習会 「流体騒音・振動」
【協 賛】可視化情報学会,計測自動制御学会,自動車技術会,ターボ機械協会,土木学会,日本音響学会,日本ガスタービン学会,日本風工学会,日本計算工学会,日本原子力学会,日本建築学会,日本航空宇宙学会,日本船舶海洋工学会,日本伝熱学会,日本燃焼学会,日本流体力学会,日本冷凍空調学会
【趣旨】
流体によって引き起こされる騒音や振動は,流体機器において重要な課題である.本講習会では数値シミュレーションと実験から2名ずつ講師をお呼びして数値シミュレーションと実験の2つの面から流体騒音・振動を取り上げ,各分野の基礎から最新の研究の動向を講義する.
【プログラム】
9:20~9:30 挨拶・諸説明
大島まり(東京大学)
9:30~11:00 流体騒音の数値解析
加藤千幸(東京大学)
ファン,自動車,新幹線車両など多くの流体関連機器において流れから発生する騒音である流体騒音の予測や低減が重要な課題となっている.流体騒音を数値シミュレーションにより予測する場合,音源や伝播経路に関する理解が重要となる.そこで,この講義では流れから音が発生する原理的なメカニズムや発生する音の特性を概説した後,代表的な流体関連機器に対して,主要な音源やその伝播経路を概説する.最後にそれぞれの場合に適した流体騒音の数値解析方法を具体例とともに説明する.
11:00~11:10 休憩
11:10~12:40 流体・流体構造連成解析のためのモデリング
滝沢研二(早稲田大学)
数値計算では,多くの場合何らかの答えを得ることが可能である.しかし,解析手法,解析方法を正しく選ばなければ,本来その解析から得られるべきでない内容を答えと見誤ってしまうケースが少なくない.本講義では,実際にパラシュートのデザインに使われている流体構造連成モデルを例にモデリングの要所を説明する.特に,流体力を理解するために連成問題における付加質量について説明する.解析に関しては,定式化,離散化,解析における計算条件,計算結果の理解について総合的に説明する.
12:40~14:00 昼休み
14:00~15:30 回転体における流体関連振動の実験-HDDの空力特性-
小尾晋之介(慶応大学)
ハードディスクドライブ(HDD)の内部は高レイノルズ数の乱流場である.速度変動や圧力変動がディスクやデータ読み書きのヘッドアームなどに及ぼす影響は無視できず,これらを抑える試みが数多く行われ,一部は製品に採用されている.ディスク振動と乱流場に関係があることは原理としては分かっているが,それを低減させることは容易ではない.この講義では実験と数値シミュレーション両面のアプローチによる流れの基本的な構造の理解と,HDDにおける流体関連振動の低減を目指した実験的な試みについて紹介する.
15:30~15:45 休憩
15:45~17:15 流れと音の同時計測:ダイナミックPIVと非定常PSPの活用
飯田明由(豊橋技術科学大学)
空力騒音の発生機構を理解し,その低減方法を確立するには,流れと音の同時計測を行い,流れ場と音の関係を調べることが必要である.本講義では,流れ場と音の同計測手法(静圧変動プローブ,渦度センサ,ダイナミック,PIV)について計測事例を紹介しながら解説する.また,今後,空力騒音の実験解析のキー技術となる非定常PSPの可能性,実験事例について紹介する.
18:00~ 懇親会(予定.懇親会費は別.詳細は講習会申込者に別途連絡)
【定 員】
60名程度.
申込み先着順により定員になり次第締め切ります.