イブニングセミナー(第156回) 魚と日本人の深い係わり
【開催日】
2012年12月19日(水)18.00~20.00
【趣 旨】
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
【テーマおよび講師】
魚と日本人との係わりは深い。好漁場に恵まれたわが国では、昔から魚は四季折々の大切な食材であった。ヒトやモノの移動が活発となった現代では、沿岸や近海のみならず、私たちは世界中の漁場から有用な魚を求めることができる。
例えばマグロ。漁場で直ちに-60℃船内凍結すれば、あの鮮紅色を保存し、EPA・DHAを含む傷みやすい油を保護し、滑らかな食感を持つさしみが約束される。
塩魚や干物にしか利用されなかったタラ類。冷凍にめっぽう弱く、海のゴミといわれたスケトウダラは、砂糖やポリリン酸塩を肉に混合して冷凍することで良質な蒲鉾原料に変身し、世界中で好まれるカニ風味蒲鉾に加工される。エビやカニについても、超急速な凍結が筋肉繊維のスポンジ化を防ぎ、今ではその冷凍品が世界標準原料となっている。今夕は、わが国が世界に誇る多彩なシーフードについて、その文化とともにそれらを支える技術を紹介することにしましょう。
講師: 杉本昌明(杉本技術士事務所所長)
<懇親会> 大学近くの「バブレストラン アミ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
会費 3 000円程度
【次回予定】
2013年1月30日(水)18.00~20.00