「設計力UP! CAE活用術」 ~デジタル技術駆使の開発設計,現状紹介~
2019年12月20日 | 設計工学・システム部門講習会主催No.19-374
企 画 設計工学・システム部門
協 賛 自動車技術会,精密工学会,日本設計工学会,日本計算工学会,日本シミュレーション学会
開催日 2019年 12月20日(金)
趣 旨
3D設計が主流となった昨今, 機械製品の設計段階において,3D設計データをそのまま用い,仕様のCAE検討を行うことが出来るようになった.現在,市場で入手できるCAEツール種類も大きく拡がり,活用目的に合わせた機能を選択することが可能となったばかりでなく,FEMやCFDのオープンソースも存在し,簡便に,低コストでCAE活用が可能となって来た. このように設計現場ではCAEの運用コストや設計での使い易さも含めた活用方法が重要となっている.
本講習会は,2013年より,設計現場でのCAE活用を紹介して来た.7回目となった本年は従来の設計・開発の各現場に合わせたCAE活用とその評価技術例を紹介するとともに,設計力向上のための製造技術,材料データ等の連携に拡げた内容を紹介したい.また,大学教育で行われている結果の検証と妥当性確認の考え方も含め,今後のその動向についての一助を示す.現在,設計及び開発現場で,設計仕様検討対応している方,また,今後の開発環境を検討している技術マネージメントレベルの方に最適な講習会と考える.
題 目
司会 :機械学会D&S産学連携委員会委員 内田孝尚
- 10:00-11:30
「設計者のための低コスト解析環境構築の提案」
~設計者解析のトピックスも!~
サイバネットシステム株式会社 栗崎彰
内容:
設計者の解析では形状データの作成が必要不可欠となる.3Dプリンターの台頭によって高機能な形状作成ソフトがフリーで使えるようになり,選択肢も増えた.一方で数は少ないがWindows OS上で手軽に使える解析ソフトウェアもある.これらを統合することによって低コストで解析環境を構築することができる.信頼性の高い商用ソフトウェアでも結果のオーダー・エスティメーション(概算評価)が必要であり,そのための一助ともなる.このセッションでは,形状作成から解析まで低コストな解析環境の構築を提案するとともに,設計者が陥りがちな解析結果の評価ポイントや実用的な解析手法を解説する.
また,3D構想設計を可能にする最新ソフトウェアをHUBとした構想設計のエコシステムの在り方を紹介する.
昼休み 11:30-12:30
- 12:30-13:15
「8つのソルバーを持つ日の丸CAEソフトウェアFemtet開発秘話と最新トピック」
ムラタソフトウェア株式会社 辻剛士
内容:
海外製のCAEソフトウェアが日本で本格的に使用され始めたのは40年ほど前にさかのぼる.時を同じくして密かに日本産のCAEソフトウェアが産声を上げた.そうそれこそがFemtetである.Femtetは(株)村田製作所で自らの設計・開発に使用するために開発された、「いかに楽しく設計するか?」「CAE業界の常識を変えたい」をコンセプトに、従来のCAEソフトウェアとは全く違った視点に立って開発されてきたCAEソフトウェアである.今年のバージョンアップで「熱流体解析」にも対応し、さらに適用範囲を広げている.本講演ではFemtetの生い立ちから最新機能までを解析事例を交えて紹介する.
- 13:15-13:45
「Simufact productによるモノづくりシミュレーションの最前線」
エムエスシーソフトウェア株式会社/Simufact engineering 成田忍
内容:
これまでのモノづくりシミュレーションは,その製造プロセスによって作られる形状やそのプロセスの実現性に主眼が置かれてきた.その一方でより高度・高精度なモノづくりシミュレーションとして最終的な性能・特性を評価することが試みられており,一部適用が始まってきている.さらに金属積層造形に代表されるような新たなものづくりの手法も提案され,従来では製造が困難であった複雑な形状の部品の製造プロセスシミュレーションまで可能となっている.このセッションでは,Simufact productを用いた国内外のモノづくりシミュレーションの事例を紹介する.
- 13:45-14:15
「材料情報の集約と利用による製品競争力の向上 ~ Material Information to Material Intelligence」
サイバネットシステム株式会社 糸井豊
内容:
品質向上,コスト低減,開発期間短縮に取り組む製造業では,設計(CAD),試験(CAE),製造(CAM)などの領域でデジタル革新をすすめ,効率化,高度化を図ってきた.昨今はこれに加え,環境負荷低減への取り組みも重要視されるようになってきており,競争力を持つためには必須の要件となっている.これらの取り組みにおいて,製品に適切な材料を選択し利用することが必要となり,そのためには材料情報を集約し活用できるようにしておく必要がる.本セッションでは,材料情報の集約,材料の選定,それぞれの立場にたった材料情報の活用について紹介する.
(休憩10分休み)
- 14:25-15:10
「制御設計も含めたバーチャル設計開発技術の動向」
東京電機大 非常勤講師 内田孝尚
内容:
3D /Digital/IT駆使の設計・ものづくり」時代になり,従来の範囲を超え,高い創造性を生かした設計を行うことの出来る環境となった.その展開のひとつであるCAE駆使の創造設計(Creative Design with CAE)はものづくり現場の検討も融合したバーチャルエンジニアリングへ成長している.それらの動向を説明する.
- 15:10-15:55
「CAEを正しく使うための実践的知識と教育手法の紹介」
東京大学大学院工学系研究科 教授 泉聡志
内容:
本講演では,CAEの実践において,最も重要である結果の検証と妥当性の確認(Verification and Validation: V&V)の考え方と,V&Vを実現するにあたって身に着けておくべき知識の体系(力学,シミュレーション,実験)について述べる.また,実践的能力を結びつけるための東京大学工学部機械工学科での教育手法について紹介する.
- 15:55-16:20
「Wrap Up」 講師全員
定員 70名
教材
教材のみ希望の場合は,また聴講者で教材を余分にご希望の方は
https://www2.jsme.or.jp/fw/index.php?action=kousyu_index&gyojino=19-374
からお申し込み下さい.
1冊につき,会員 2,000円,会員外 3,000円にて頒布いたしますので,開催前に予約申込み下さい.講習会終了後発送いたします.