VE/VRを用いた設計・開発・ものづくりの新しい検討手法の紹介
2019年12月16日 | 設計工学・システム部門講習会主催No.19-368
開催日 2019 年12月16日(月)
主 旨
Industry 4.0や,IoT等のDigitalを用いたビジネスの動きや新しい開発/ものづくりの話題が毎日,聞こえてくる昨今です.その動きの関連として「距離/時間/要素を同一の場」で共有検討できる共通の3Dデータ環境としてVE(Virtual Engineering)が注目を集め,加速展開がはじまっています.機械学会D&S部門では2013年以来,CAD/CAM/CAE/PLM/Data流を駆使する“VEとVR(Virtual Reality)の動向と活用検討”を講習会で,紹介して来ました.7回目となった本年も,3Dデータ活用のVE/VRポテンシャル最新状況の説明を行うとともに,今後の動向についての指針の一部を示す予定です.
題 目
司会 :機械学会D&S産学連携委員会委員 内田孝尚
- 10:00-11:20
「新時代のものづくりとVR」
東京大学大学院情報理工学系研究科 教授 廣瀬通孝
内容:
VRをはじめとするリアルとバーチャルの境界領域に存在する一連の技術群が今後ひきおこすであろう社会変革は,いわゆるインダストリー4.0の概念よりもずっと広汎なものである.本講演ではVR技術の現状と将来についてまとめた上で,新しい産業構造の在り方や方向性について,具体的事例を交えて考えてみたい.
休憩(昼食) 11:20-12:20
- 12:20-14:20 自動車会社のVR/VE展開例
1) 12:20-13:20
「xR技術を活用した「もっといいクルマ作り」への取り組み」
トヨタ自動車(株) 西村 吉生
内容:
IT業界などとの競争も始まり、「100年に一度の大変革期」を迎えたといわれる自動車産業の中で生き残っていくため、商品力強化とそれを生み出す開発プロセスの変革が求められています.その手段の一つとして、「デジタル試作車」という概念を掲げ、xR技術を活用した開発のデジタル化に取り組んでいます.その中から、いくつかの事例と課題を紹介させていただき、より一層のxR技術発展のための議論のきっかけとさせてください.
休憩 13:20-13:25
2) 13:25-14:25
「DMUを活用した開発・生産準備の見える化」
スズキ(株) 西澤俊彦
内容:
2輪車や4輪車の開発や生産準備で車両全体のDMU(Digital Mock UP)を活用しています.そのDMUデータを活用した業務改善と効率化の取組みについて紹介します.
休憩 14:25-14:30
3. 14:30-15:30
「立体視環境におけるシミュレータ酔いとその低減について」
~3Dディスプレイ、CAVEを中心として~
東海大学 情報通信学部 情報メディア学科 教授 濱本和彦
内容:
VRにおける大きな問題の1つがシミュレータ酔いで、これまで多くの研究がなされている.本講演では、没入型バーチャル環境(IVE)であるCAVEを複数ユーザが同時に利用する際のシミュレータ酔いを中心に、酔いの症状、その軽減方法について検討した内容について報告する.
休憩 15:30-15:35
- 15:35-16:25
「世界のバーチャルエンジニアリングの実態と日本の課題」
東京電機大学工学部 非常勤講師 内田孝尚
内容:
新しい開発/ものづくりの動きは今から20年ほど前、大きく舵を切っていたと思われます.その動きは全世界的に、3D/Digital/Virtualを用いた新しい設計/開発/ものづくり環境への移行に繋りました.営業、ユーザーも含めた開発者達が「思考と状況」を共通活用出来る「距離/時間/要素を同一の場」としたVE(Virtual Engineering)環境の加速展開が進み、ポテンシャルの高い製品アウトプットが始まった.その基本はデジタルデータを用いた各分野の連携融合であり、課題はデータの品質と来歴の保証となります.これらをコントロールするルールと標準化が既に世界のものづくりでは成立しており、それらを含めたバーチャルエンジニアリングの実態を説明する予定です.
- 16:25-16:55
本日のWrap Up
機械学会産学連携推進委員会 内田孝尚
内容:
・質疑応答&まとめ
定員 80名
教材
教材のみ希望の場合は,また聴講者で教材を余分にご希望の方は
https://www2.jsme.or.jp/fw/index.php?action=kousyu_index&gyojino=19-368
からお申し込み下さい.
1冊につき,会員 2,000円,会員外 3,000円にて頒布いたしますので,開催前に予約申込み下さい.講習会終了後発送いたします.