連続講習会第4回(全4回)「機械-電気の統合モデルによるモデルベース開発」
第4回 物理機能モデルによるモデル化(機械と電気の簡単な事例)
主催:日本機械学会 交通・物流部門
協賛(予定):計測自動制御学会,自動車技術会,システム制御情報学会,精密工学会,電気学会,電子情報通信学会,日本工学会,日本シミュレーション学会,日本知能情報ファジィ学会,日本フルードパワーシステム学会
日時:2020年1月23日(木) 10:00-17:20
趣旨:
近年機械と電気は一体化してより複雑な装置になりつつあります。例えば、電動化、自動運転化の研究は非常に盛んです。電動化、自動運転化の研究では、機械と電気の制御が間違いなく作動することを実機ができる前に確認することが重要です。日本機械学会では、2015年度に部門協議会直属の「自動運転に関する分野横断型分科会」を発足させ、自動運転技術に取り組んできました。様々な技術検討を行い、モデルベース開発という開発技術も検討してきました。本講習会は、その成果の会員および社会への還元の一環として、交通・物流部門が主催して実施するものです。
1980年代から始まった日本的なものづくりは長年の改善活動を通して培われた全社的品質管理や総合的品質開発システムを経て、製品を各組織が順送りする開発体制から組織を横断した同時並行開発へと進み、活動範囲も世界的な規模へと進展してきました。その具体的な手段として開発対象の実体をモデルに置き換えたモデルベース開発に移行しつつあります。その先端をゆく自動車産業では実機試験をモデルで代行する仮想試験や制御対象を実機からモデルに置き換えたHILSやSILSなど開発の下流で行う実機の代用から、最近では開発の上流で行う企画・設計段階への活用を経て営業を含めた顧客のつながりへと広がり、製品開発の在り方も様変わりしてきました。
事前検討に用いる機械-電気の統合モデルの実用的なモデルとして、物理機能モデルがあります。物理機能モデルを実用的にマスターするための連続講習会を開催します。
なお、機械-電気の統合モデルによるモデルベース開発については下記を参照して下さい。
https://www.jsme.or.jp/tld/home/workshop/autonomous_car_site/shuppan.htm
<座学講習会>全4回 定員20名(第1回のみ50名)
2019年10月28日(月)10:00-17:20第1回 物理機能モデルの概要及び適用事例発表
2019年11月21日(木)10:00-17:00第2回 物理機能モデルの要素モデル(機械と電気の1次要素)
2019年12月12日(木)10:00-17:00第3回 物理機能モデルによるモデル (機械と電気の2次要素)
2020年1月23日(木)10:00-17:00第4回 物理機能モデルによるモデル化 (機械と電気の簡単な事例)
今回の講習会は、第4回 物理機能モデルによるモデル化(機械と電気の簡単な事例)となります。機械-電気の統合モデルの実用的なモデルを聴講できる機会は、本講習会以外では滅多にありません。皆様、是非共、お誘いあわせの上、ご参加ください。
内容は、機械と電気が共有する外延系1次要素と内包系1次要素で組み立てた物理モデルの共振現象と、機能要素を部分線形化する機構モデルについて説明します。従来のモデル化手法において、電気では並列共振と直列共振を使いますが、機械では並列共振を使いますが直列共振については曖昧です。特に、非鉄金属や制振・吸振をあつかうときは直列共振のモデルは重要です。(グループ実習はグループ毎にテーマを分ける場合もあります)
題目・講師
第4回 物理機能モデルによるモデル化(機械と電気の簡単な事例)
10:00-10:10 日本機械学会「自動運転に関する分野横断型分科会」委員長挨拶
10:10-11:00 1.モデリング技術の過去・現在・未来 - 3 モデリング技術の未来
・電気-機械システムの開発技術
・自動運転の開発技術
高田 博 (東京理科大)
11:10-12:00 2.機械と電気の共振構造と非線形化
・2次要素の並列共振と直列共振、および直並列共振の仕組み
・物理機能モデルの物理特性と物理係数の非線形化と機構モデル
角田 鎮男(CATEC)
13:00-14:50 3.物理機能モデルと従来手法の連携
・モード解析(モーダルモデル)の並列共振を直列共振に等価変換
・電動発電機(フレミングの法則)の簡易物理機能モデルの仕組み
などについて、モデル化を進めながら、受講者にはモデルの解釈や式の組み立てなどのグループ実習した結果を発表してもらいます。
西留 千晶、小泉 敏明(CATEC)、ゲスト講師(予定)
15:00-16:50 4.物理機能モデルの非線形化
・流体抵抗(物理モデル)の物理特性を非線形化する機構モデル
・ガスバネモデル(断熱変化)の物理特性を非線形化する機能モデル
などについて、モデル化を進めながら、受講者にはモデルの解釈と式の組み立てなどのグループ実習した結果を発表してもらいます。
西留 千晶、小泉 敏明(CATEC)、ゲスト講師(予定)
16:50-17:00 5.日本機械学会「自動運転に関する分野横断型分科会」幹事挨拶
なお、2020年度には下記の実技講習会(全4回)を実施します(定員10名)。
2020年10月 第1回 動力源と動力負荷(簡易モータと車体)
2020年11月 第2回 車のアクスル系(動力伝達機構(遊星)とタイヤモデル)
2020年12月 第3回 動力源(エンジン(トルクマップ)と電動発電機)
2021年1月 第4回 車両の走行環境(モード走行とドライバモデル)
定 員 20名