自動車における3次元設計の現状と課題
2019年10月15日 | 設計工学・システム部門講習会主催No.19-346
(設計工学・システム部門 企画)
協 賛(予定)
自動車技術会,精密工学会,日本設計工学会,日本計算工学会,日本シミュレーション学会,計測自動制御学会,
システム制御情報学会,日本工作機械工業会,日本工作機器工業会,日本船舶海洋工学会
開 催 日 2019年 10月15日(火)10:10~17:55(受付開始9:50)
趣 旨
製造業における製品開発は自動車産業が牽引役となり、「3D-CADによる設計」の時代となりました。3Dデータは形状の確認、複雑な部品間空間成立性(干渉)、レイアウト(配置)、性能予測,生産工程要件、等々の検討、また、カタログから整備要領書に至るまで、活用の領域は広範囲に及びます。一方で、その活用の実態は、企業毎、様々なところを残しており、3Dデータ整備の時代にあっても、ノウハウ情報の伝達における「2D図面の重要性」は変わっていません。一方、製造業そのもののグローバル化に対応するために、「技術情報の伝達・活用」への取組みが、一層重要な課題となってきました。
本講習会では、CAD研究のアップデート、内外アセンブリメーカでの3Dデータ利用からサプライヤサイドでのモノ造りデータとしての運用実態等々をわかりやすく紹介することで、3Dデータを構築/運用するメリットと将来への方向性、3Dデータに具備すべき要件についての考察を行います。
参加企業の皆様においては、自動車業界の方々はもとより、機械・電機・重工など他産業を含めて、2Dと3Dデータの両方を運用する現状から、今後3Dデータをどのように構築、活用していくかを検討する参考にして頂きたいと考えております。積極的な参加と論議を期待いたします。
◆題目・講師◆
10:10~10:15 ご挨拶 司会:アドバンスソフト(株) 加藤 廣
10:15~11:15(1) 「スマートマニュファクチャリングにおける製品開発のデジタル化と3次元CADデータの活用」
設計生産におけるデジタル化(Digitalization)がグローバルな環境で普及し、製品開発活動の効率化・高度化が急速に進展している。
製品開発の全ライフサイクルにおけるデジタル化された製品技術情報の共有と再利用は基本であり、3次元CADデータはその中核
をなす。研究開発の現状と今後の動向を概観する。
東京大学 名誉教授 木村 文彦
11:20~12:20(2) 「グローバル展開時代のデジタル開発を支える3Dデータ活用」
日産自動車では早くから3Dデータを衝とする開発を推進してきた。BOMと連携した3Dデータをマスターとすることにより、
生産性検討・CAEなどのコンカレントエンジニアリング、生産部門のモノ造りデータへの一元流通も実現した。更に、近年では
海外開発拠点や海外サプライヤーとのコラボラティブエンジニアリングにも効率的に対応することが出来ている。
これら最新の取り組み状況について紹介する。
日産自動車(株) カスタマーパフォーマンス&CAE・実験技術開発本部
統合CAE・PLM部 製品開発情報マネージメントグループ
主管 笹川 正彦
12:20~13:30 昼食・休憩(70分)
13:30~14:30 (3) 「モノづくりにおける3次元CADデータのグローバル活用と課題について」
ジヤトコでは製品3Dデータを 開発から生産まで活用することにより開発期間短縮と設備対応の迅速化を実現してきた。
昨今 開発及び生産拠点がグローバル進出していく中、CADデータ作成におけるグローバル化及び効率的な管理運営の仕組みと
今後の課題や取り組みについて紹介する。
ジヤトコ(株) 開発部門 システム開発推進部 主管 朝原 健仁
ジヤトコ エンジニアリング(株) エンジニアリング事業部 部品システム開発部
CAEグループ プロフェッショナルスタッフ 汐月 利夫
14:35~15:35 (4) 「自動車向けフレキシブル生産ラインの設計・立ち上げに向けた製造のデジタルツインの活用」
デジタルツインは、実在する製品や工場の振る舞いをそっくり双子のようにバーチャル空間に再現する技術概念である。
デジタルツインによって、計画に対する実績をデジタル情報で比較分析し、製造プロセスの継続的な改善と最適化、デジタル情報に
よるモノづくり情報の製造現場への転写が可能になる。今回は、デジタルツインを活用した自動車のフレキシブル生産ラインの
設計・立ち上げについて紹介する。
シーメンス(株) デジタルインダストリーソフトウェア ポートフォリオ開発本部
上席コンサルタント 五島 直
15:35~15:50 休憩(15分)
15:50~16:50 (5) 「日産自動車における3D データ活用推進の取り組み」
日産自動車ではグローバルでの開発から生産・販売までを含めたデジタルデータ活用推進を目的に、最新3D 情報が早く、簡単に、
世界中の拠点で共有可能な環境を構築し、3Dを衝とした運用を行っている。
本取組みにおける具体的な事例、課題と解決のキーポイント、および最新の取り組み状況について紹介する。
(株)日産オートモーティブテクノロジー CAD技術推進部
主担 佐武 大輔
16:55~17:55 (6) 「3次元データ活用による開発生産プロセス効率化を支えるBOM/PDMシステム」
極めて多種類の製品を短期間で高品質かつ低コストで市場に投入する事が要求される自動車の開発・生産準備には、デジタルモック
アップをはじめとする3Dデータを駆使したバーチャルなプロセスが必須となっている。
一方,試作や実験といったフィジカルなプロセスを代替する為には,3Dデータに対して図面や部品と同等の仕様/構成管理や変更管
理が必要となり、BOM/PDMシステムが極めて重要な役割を果たしている。
デジタルプロセス(株) BOM技術ソリューション部
次長 中條 雅司
定 員 50名,申込先着順に定員になり次第締め切ります.
教 材
教材のみのご希望の方,また聴講者で教材を余分にご希望の方は1冊につき会員2,000円,会員外3,000円で頒布いたします.
講習会終了後発送いたします.
※講習会終了後に教材の販売はいたしません.入手ご希望の方はぜひ講習会にご参加下さい.